JR西「みどりの窓口」大幅削減はそこまで問題か

10年後、「紙の切符」をまだ使ってる?

証明書の確認機能が付いた券売機は「みどりの券売機プラス」だ。従来の指定席販売機能を持った「みどりの券売機」のバージョンアップ版で、特徴はオペレーターとの対話機能だ。スピーカー、マイク、受話器、モニターのほか、書見台とカメラが付いている。この書見台に通学証明書を載せれば遠隔操作で確認できる。ジパング倶楽部の割引証も使える。券売機の操作がわからないときもオペレーターを呼び出して相談できる。オペレーター呼び出しで依頼すれば、従来の券売機で購入できなかった寝台券も購入可能だ。

機械の操作を苦にしなければ、いままでみどりの窓口でできたことは、「みどりの券売機プラス」で可能。2030年までに対面窓口約30駅、みどりの券売機プラス約100駅、合計約130駅になる。現在、180の「みどりの窓口」のサービスは、機能的には約50の減少である。そして、みどりの窓口のうち、主な扱いが定期券だった駅は高機能型券売機で対処することになる。みどりの窓口のなかで、指定席券需要のない50駅が閉鎖、高機能型券売機へ置き換えと考えていい。

「機械で十分な対応ができる」というと「機械に不慣れなお年寄りはどうなのだ」と反論がありそうだ。しかし、10年後のお年寄りはどうか。私のような50代が60代のお年寄りで、現在の60代が70代。テレビゲームやマイコンを経験した世代である。機械に不慣れなお年寄りなんてほとんどいない。現在70代、10年後に80代以上の世代は家族がサポートしてくれるし、独居であればたいていのことは自分で解決できた人である。もちろん、対面販売のほうが細やかな対応ができるし、人に優しい。それは当然で、だからこそ対面窓口は約30駅が残る。こちらを使えばいい。

救済手段も用意している

「みどりの窓口」の2030年までの段階的な削減予定数は定まっていない。「お客様のご利用状況や周辺環境などを総合的に勘案しつつ、段階的にみどりの券売機プラスへの置き換え、みどりの窓口の廃止を進めてまいります」(JR西日本)。

みどりの窓口を継続する30駅については「まだ検討中で、個別の駅の計画は言えない」とのこと。しかし会見では「拠点駅や新幹線停車駅」と発表している。窓口の見直し対象となる京阪神圏はJR西日本の定義によると「京都府(南部)・大阪府・兵庫県(南部)・滋賀県・奈良県・三重県(一部)」だ。この中で新幹線停車駅は6(北陸新幹線延伸時の駅含む)。残り25駅は近畿エリアの在来線駅の1割以下だ。

【2019年4月6日22時00分 追記】記事初出時、みどりの窓口の見直し対象に誤りがありましたので、上記のように修正しました。

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