JR西「みどりの窓口」大幅削減はそこまで問題か

10年後、「紙の切符」をまだ使ってる?

旅行会社は手数料ビジネスだ。交通や宿泊を仕入れて販売し仲介料や手数料を取る。ゆえに旅行代理店とも呼ばれてきた。そして、ほとんどの旅行会社は利用者からも手数料を得る。旅行業法第12条の4に準拠した料金だ。例えば「宿泊機関と、運輸機関・航空券・観光券等の複合手配旅行の場合」は「旅行費用合計額の20%以内(下限1620円)」だ。「運輸機関1件1手配につき費用の20%以内(下限1080円)」とも定められている。

ところが、マルス端末を持つ旅行会社は前述のとおり、JRの切符を単独で手配する場合に限り利用者から手数料を取れない。その代わりJRから手数料を受け取る。しかしそれは数%以下だ。2万円の新幹線の切符を買っても1000円以下。ちっとも儲からないから、旅行会社はJRのみの販売には消極的にみえる。乗りたい列車が定まらず長居するJR切符購入者よりも、数千円の日帰りバスツアーをグループ客に売りたくなるだろう。

そんな事情がわかるから、私はなるべくわかりやすい行程図を作り、全行程の切符を一括で購入して単価を上げる。招かれざる客だろうと思って、かえって気をつかう。そのほか、駅に比べて窓口の営業時間が短い、相談客が多いから待たされるなど、利点ばかりではないけれど、JRの駅が遠ければ旅行会社は役に立つ。

チケットレスが進めば窓口は不要

みどりの窓口が減っていく。でも旅行会社を活用すればいい。そういう話だけれども、実はそんなに困らないかもしれない。2030年まであと10年以上もある。10年も経てばITは確実に進化する。日本でiPhoneが発売されて10年あまり。いまやスマートフォンで電車に乗れる時代だ。鉄道も新幹線や大手私鉄の特急などでチケットレス化が増えてきた。

2030年は「券売機やチケットレスサービスが主流になり、対面窓口などいらない」という時代になっているかもしれないし、いまは絵空事のようなMaaSとやらが当たり前のサービスになっているかもしれない。

「みどりの窓口を減らし、その代わり券売機を増やします」という施策に対するツッコミどころは、むしろ「2030年になってまで、まだ紙の切符を買わせるつもりか」といえそうだ。

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