企業に対する好き/嫌いの度合いを示す「企業好感度」。消費者の購買行動に直結する指標であるだけに、重要視する企業は多い。そこで今回、東洋経済では「企業好感度の高い企業トップ300社」のランキングを、JNNデータバンクと協力し作成した。
「第75回JNNデータバンク定例全国調査」(2018年11月実施)を基に、日本人になじみのある企業・ブランドについて、「好感を持っている」と回答した割合を「好感度」とし上位300社を発表する。
同調査は、TBSテレビをキー局とする全国28社のテレビ局(JNN系列)が1971年から毎年共同で行っているライフスタイル調査だ。調査対象は13~69歳の男女約7400人。訪問留置法という、調査員が対象者宅を訪問し、アンケートの記入依頼を行い、後日回収する調査方法を用いている。
変わらぬ順位、変わる傾向
今回の調査でもトップ3は変わらず、1位がセブン-イレブン(43.3%)、2位がトヨタ自動車(33.0%)、3位が無印良品(32.3%)となった。
調査時点では、1位となったセブンーイレブンだが、2019年2月には人手不足を受け、24時間営業を巡る問題が表面化。4月にはセブンーイレブン・ジャパンの社長交代に発展した。好感度は一朝一夕に変化する指標ではないが、私たちにとって身近なコンビニ事業の見直しに迫られており、今後の動向にも注目が集まる。
上位30位まで広げてもあらたにランクインしたのは4社のみで、残りの26社は前回と同じ顔ぶれとなった。
そんな中大きくランクを上げたのが16位のLINE(26.3%)。世代別に見ると30代以下から大きな支持を得ていることに間違いはないが、60代以降でも4ポイント以上のプラスで、世代を超えたコミュニケーションツールとなりつつあることがうかがえる。
総合順位が大きく変わらない一方で、世代別のデータでは支持層の傾向の変化が見て取れる。世代別のデータを集計すると、前述の総合トップ3はいずれも20代の支持がマイナスに転じており、安定基盤は高年層だ。
面白いのは今回5位に躍進したニトリ(31.3%)で、男女別世代別でポイントを伸ばしたトップ3をみると、1位ニトリ(50代女性、+11.9ポイント)、2位LINE(10代女性、+10.8ポイント)、3位ニトリ(10代女性、+10.3ポイント)となった。通常、若年層の支持が大きく伸びる企業は、高年層ではあまり伸びない傾向にあるが、ニトリは若年層で支持を伸ばしつつ50代以降で最も伸びている結果となった。
特定の世代だけ別の傾向を見せる企業もある。60位の積水ハウス(17.0%)は地面師事件の影響もあってか、ほぼすべての世代でマイナスに転じているなか、20代男性だけは4.3ポイントアップしている。
また、15位のモスバーガー(26.9%)も客数減少の影響がみられるなか、10代女性のみ4.9ポイントアップした。
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