勢いのある企業は従業員を増やすが、もちろんそんな順調な企業ばかりではない。経営が芳しくなかったり、グループ再編の一環で不振事業や本業との関連の薄い部門の整理を進めたりすれば従業員は減少する。
東洋経済オンラインは、『この5年で「正社員を増やした」500社ランキング』に引き続き、今回は過去5年で正社員を大きく減らした上場企業を独自に調査。上位500社をランキングした最新版となる。
ランキングは有価証券報告書(2017年12月期~2018年11月期)に記載されている「従業員数」を正社員数と見なし、2012年12月期~2013年11月期の人数を比較して減少数の多い順に並べた。
従業員数は連結ベースと単独ベースの数字が開示されているが、今回は連結ベースの人数で比較を行った。
単体ベースの数字で比較すると、この5年間にホールディングス化を行った企業などのテクニカルな影響が大きくなってしまうためだ。5年前比の正社員増加率や非正社員数も併載した。
1位東芝は6万4000人以上の減少
目立つのは電機大手だ。2018年11月までの有価証券報告書の注記からランキングは作成しているので、現在も人員削減を進めている企業ではさらに正社員数が減っている可能性がある。5年で1000人以上の正社員を削減した会社は48社だった。特に顕著なのが電機・エレクトロニクス業界だ。
1位の東芝は6万4831人の大幅な削減となった。しかし、今回の調査対象とした2018年3月期の有価証券報告書の発表時点では、半導体メモリ子会社の「東芝メモリ」の売却(2018年6月)は完了していない。有価証券報告書の従業員の状況の注記によると1万0694人がメモリ事業に従事しており、さらに1万人ほどの正社員が東芝本体から削減となる見通しだ。
2位のソニーは2万9000人の減少となった。最も多くの正社員を抱えるエレクトロニクス分野の従業員数を減らした結果、全体でも大きな減少となった。映画や音楽、金融事業に関わる従業員数は横ばいかやや増加するなど、事業分野によって傾向が分かれているのが特徴だ。
5年前と比べて1万人以上、正社員を減らした企業は上位10社までで、そのうち電機・エレクトロニクス業界の企業は7社となった。
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