事業拡大で勢いを増す会社の多くが、従業員数を拡大しているケースは多い。いくらお金があっても、技術があっても、事業を動かす人がいなければ、企業は回らないからだ。
東洋経済オンラインは、過去5年間で正社員数を大きく増やした上場企業を独自に調査。トップ500社をランキングしたものの最新版となる。参考記事:『「正社員数の多い」トップ500社、最新ランキング』(2019年3月18日配信)
定年退職による自然減のほか、転職で会社を去る人に、新卒・中途採用の数が勝れば正社員の総数は増える。
また、M&Aにより企業を買収すれば従業員も増える。その過程で多少の人員整理はあるかもしれないが、一定数以上はグループ企業の正社員として受け入れることになる。
ランキングは有価証券報告書(2017年12月期~2018年11月期)に記載されている「従業員数」を正社員数と見なし、2012年12月期~2013年11月期の人数を比較して増加数の多い順に並べた。従業員数は連結ベースと単独ベースの数字が開示されているが、今回は連結ベースの人数で比較を行った。
単体ベースの数字で比較すると、この5年間にホールディングス化を行うなどのテクニカルな影響が大きくなってしまうためだ。5年前比の正社員増加率や非正社員数も併載した。
1000人以上の増加は395社
この5年間にM&Aを行って連結対象を増やした会社ほど、大きな伸びがあった。ランキング1位のNTTデータは、2016年にアメリカ・デル社のITサービス会社を買収。グループの正社員数は5年間で5万6637人増加した。この期間の売上高は1兆3437億円から2兆1171億円に増加している。売上高の増加率は伸び率に直すと60%弱の増加となり、正社員数の伸び率のほうが上回る結果となっている。
2位はイオン。同業のダイエーやマルエツのM&Aで連結対象を増やしたことによって正社員数が増えた企業の筆頭といえる。グループの正社員数は5年間で5万6500人増加した。この期間の売上高は6兆3951億円から8兆3900億円に1兆9949億円増加している。
セグメント別の従業員数は、有価証券報告書の従業員の注記に記載されている場合が多い。このランキングでは詳細な事業ごとの人数の増減までは踏み込んでいないが、就職活動を行う学生にとっては、会社がどの分野に社員を配置し、どの事業の人数を増やしているかを知るための参考になるだろう。
このほか、上位10社の従業員数の増加率に着目すると、5位のソフトバンクグループの204%増、7位の村田製作所の103%増が際立って高い。
両社は雇用の担い手としても大きな存在感を発揮していることが読み取れる。正社員を1000人以上増やしたのは合わせて395社だった。
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