2020年入社の就職活動が佳境を迎え、オフィス街ではスーツ姿の就活生が目立つようになった。今シーズンも売り手市場と言われ、大企業でも採用予定数の確保に苦心しそうだ。ただ、知名度で言えば同等の大企業だとしても、従業員規模はさまざま。有名ではあるものの、採用数は意外と少ない企業も多いので学生は注意が必要だ。
東洋経済オンラインでは上場企業3627社を対象に、従業員数の多い会社を調査。出所は各企業の2017年12月期~2018年11月期の有価証券報告書の従業員の注記とした。有価証券報告書に示される従業員数には明確な定義がないものの、雇用契約で特別な取り決めなく雇用されている正社員数とイコールと考えられる。
またランキングでは5年前の正社員数と比較した増減率を掲載。人数が増加しているか減少しているかは、企業の活力をみる指標ともなる。同じ製造業でも業界によって明暗が分かれる結果となった。
ランキング上位には売上規模の大きなグローバル企業が目立つ。
典型的なのが自動車メーカーだが、全世界で現地生産を進めているため、雇用者のすべてが国内の雇用ではない。なお、ランキングには非正規社員数と非正規社員比率についても併載した。
「日本一大所帯」の企業はトヨタ
1位はトヨタ自動車。株式の時価総額・売上高・利益でトップの同社が、従業員数でも1位になった。全世界に36万9124人を抱え、5年前と比べても3万5626人増加した。トヨタ自動車に関連する企業のランクインも多いため、同社が日本の雇用に与える影響が大きいことを感じさせる。
2位は総合電機トップの日立製作所で30万7275人。事業ポートフォリオの見直しを行っており、5年間で1万8965人を減らした。同じ総合電機で不適切会計などで経営不振に陥った東芝は14万1256人となり、事業売却や早期退職の募集などで5年前と比べ6万4831人が減少した。2018年6月の半導体事業売却で、さらに減少することとなった。
電機メーカーの増減数に着目すると、減少傾向にある企業が多い。「日の丸電機」の苦境がランキングでも明らかになった。
トップ10社の中で最も数を増やしたのは、5位の住友電気工業(4万8810人増で、25万5133人)だった。社名には電気という言葉が含まれているものの、セグメント別に最も売上高が大きいのは自動車を制御するための部品として使われるワイヤーハーネス事業だ。足元の自動車産業の活況を受け、デンソー(10位、16万8813人)やブリヂストン(12位、14万2669人)など自動車部品メーカーの従業員数も増加傾向にある。
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