進まない野党結集、見えぬ「最後の小沢政局」

笛吹けど踊らず、剛腕にも昔日の面影なし

小沢氏がまず仕掛けたのが、国民民主党と自由党の合併だ。2017年秋の衆院選の直前に小池百合子東京都知事が立ち上げた希望の党(当時)への合流をめぐり、民進党(同)が大分裂。選挙で生き残った希望合流組が結成したのが国民民主党だ。選挙では合流から排除された枝野幸男氏が立ち上げた立憲民主党の後塵を拝したが、党資金や地方組織などは民進党の遺産を受け継いでおり、「温存した選挙資金は約150億円」(旧民進党幹部)とされる。

ただ、国民民主の政党支持率は結党以来1%前後に低迷したままで、「このままでは、資金と組織が宝の持ち腐れになり、参院選で惨敗すれば党は壊滅」(国民若手)との声も広がる。同党の玉木雄一郎代表も党壊滅への強い危機感から立憲民主などとの再結集に強い意欲を見せており、「渡りに船」と小沢氏の仕掛けに乗ったのだ。

昨秋から小沢氏と接触してきた玉木氏は、まず両党の統一会派結成で合意し、それを受けて小沢氏と親しい同党の平野博文幹事長を交渉役に早期合併に向けた政策協議を続け、3月1日に合併後の新党が国民民主党の基本政策を踏襲することで正式合意にこぎ着けた。これで小沢、玉木両氏が目指す「国由合併」は一気に進展するようにみえた。

しかし、国民民主党内から「党を乗っ取られる」(若手)、「小沢氏とは一緒にやれない」(ベテラン)などの反発が出て難航。当初の目標だった統一地方選前の合併を断念して5月連休前後まで決着を先延ばしする方向だが、「現状ではまったくゴールが見えない」(幹部)のが実態だ。

国民民主党内で「解党論」も浮上

しかも、ここにきて国民民主党内部の混乱に付け入るような立憲民主党側による切り崩し工作も表面化した。一部メディアが、1月に衆院会派「無所属の会」を解散して立憲会派入りした岡田克也元外相や安住淳元財務相ら旧民進ベテラン議員らが、去就に迷う国民民主党の若手議員に離党と立憲会派入りを打診したと報じたからだ。

岡田氏はすぐ、自らのブログで「誤報だ」と否定したが、国民の若手議員の一部は「立憲を中心に大きな固まりをつくろうと説得された」ことを認めている。こうした動きに玉木氏は「もう足の引っ張り合いは終わりにすべきだ。政策以前に、すぐ喧嘩する人たちだと思われる」と反発したが、国民内部には「国由合併も進まないのだから、国民を解散して立憲に合流するしかない」(若手)との解党論すら出始めているとされる。

こうした状況について、小沢氏は「野党の内部でごちゃごちゃ言っても、何も変わらない。自民党は権力のためなら対立を乗り越えて一緒にやる。野党とは大人と子供みたいな違いだ」と指摘。「野党はもっと権力奪取に執念を燃やすべきなのに、野党内の主導権争いに終始している」と苛立ちを隠さない。ただ、小沢氏の率いる自由党は国会議員5人という「政党要件」をかろうじて満たしているだけの小政党だ。それだけに、合併協議でも小沢氏は国民代表の玉木氏の意向を尊重せざるをえず、機会が増えた2人そろってのテレビ出演などでも、玉木氏を前面に立てて自らは控え目な発言に終始している。

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