企業に「社員教育を強制」するイギリスの思惑

最低賃金引き上げに「スキルアップ」は不可欠

「社員教育の先進国」での取り組みをご紹介します(撮影:尾形文繁)
オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。退職後も日本経済の研究を続け、『新・観光立国論』『新・生産性立国論』など、日本を救う数々の提言を行ってきた彼が、ついにたどり着いた日本の生存戦略をまとめた『日本人の勝算』が刊行された。
人口減少と高齢化という未曾有の危機を前に、日本人はどう戦えばいいのか。本連載では、アトキンソン氏の分析を紹介していく。

なぜ「最低賃金の引き上げ」が不可欠なのか

1月に開始した本連載も、いよいよ佳境に入ってきました。人口減少時代にふさわしい、新しい日本経済のための仕組みを皆さんと一緒に考えることができ、非常に多くの刺激を受けました。感謝申し上げます。

『日本人の勝算』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

一部の読者の方がコメント欄で予想されていたとおり、生産性の革命には「教育改革」が不可欠です。この件に関して、今回と次回の2回にわたって検討を進めていきたいと思います。今回は海外の事例を紹介します。

その前に、まず、本連載で進めてきた議論を簡単に総括してみます。

GDPを分解すると「GDP=人口×生産性」となります。日本の人口が減る以上、今のGDPを維持するためには生産性向上が不可欠です。高齢者は減らないので、GDPを維持しないという選択肢もありえません。

人口増加時代から人口減少時代に移行するにあたって、生産性の向上は絶対に不可欠ですが、人口が減少する以上、一部の企業が生産性を向上させるだけでは足りません。全国津々浦々の企業が生産性を向上させるよう努力する必要があります。

次ページ「小さい企業が多すぎる」という大問題
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