日経平均は上昇、前週下落の反動で買い戻し 商い低調、米小売売上高の発表など見極め
[東京 11日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は5日ぶり反発。8日に大幅安となった反動で買い戻しが先行した。世界景気の減速懸念が根強く、一時は下げに転じ2万1000円を割り込む場面もあったが、上海株の上昇が支えとなり、プラス圏に切り返した。後場は高値圏で一進一退となった。今晩発表の米小売売上高を見極めたい向きが多いことや、ブレグジット(英国の欧州連合離脱)を巡る不透明感も上値追いを慎重にさせた。
8日に発表された米雇用統計も低調で、世界経済を巡る懸念が強まっている。英国議会は12日にメイ首相が示す欧州連合(EU)離脱修正案に関する採決を行うが、先行きは不透明。市場からは強気になれる材料が少ないとの声が出ていた。
TOPIXも5日ぶり反発。セクター別では、電気・ガス、パルプ・紙、不動産などが値上がり率上位に入った半面、海運、鉱業、精密機器などが値下がりした。「米中首脳会談が4月にずれ込む可能性が一部で報じられ、通商合意の期待感が後退している。内需・ディフェンシブ系がしっかりだった一方、商品市況の影響を受ける外需関連や景気敏感系が弱い」(内藤証券の投資調査部長、田部井美彦氏)との声が出ていた。
個別銘柄ではオムロン<6645.T>がストップ高比例配分。日本経済新聞社が8日、日経平均を構成する225銘柄に同社を採用すると発表。指数連動型ファンドなどの資金流入に期待する動きとなった。候補として一部で名前が挙がっていた村田製作所<6981.T>、ルネサスエレクトロニクス<6723.T>、シャープ<6753.T>は売られた。
日立製作所<6501.T>は反発した。子会社の化学メーカー、日立化成を売却する方向で検討に入ったと一部で報道され、材料視された。共同通信などが8日報じた。共同によると、日立は約51%の保有株全てを手放すとみられ、売却額は3000億円を超える可能性があるという。これに絡んで日立化成<4217.T>はストップ高比例配分となった。売却価格の高まりへの思惑から買いが入った。
東証1部の騰落数は、値上がり1335銘柄に対し、値下がりが730銘柄、変わらずが69銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 21125.09 +99.53
寄り付き 21062.75
安値/高値 20938─21145.94
TOPIX<.TOPX>
終値 1581.44 +9.00
寄り付き 1574.31
安値/高値 1570.58─1582.72
東証出来高(万株)104596
東証売買代金(億円) 18418.58
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