金融庁は仮想通貨規制をどこまで強化するのか 「ICO」での資金調達も金商法の対象になる?
仮想通貨相場が低迷している。ビットコインは2018年以降、右肩下がりとなり、足元では40万円前後でもみ合い相場の様相。2017年末に付けた最高値と比べ5分の1の低水準だ。国内はもとより世界的に仮想通貨(暗号資産)への関心が低下し、投機対象として積極的に売買する投資家も減少しつつある。
その一方、国内では仮想通貨に対する規制が徐々に強まっている。金融庁は2017年の改正資金決済法で仮想通貨を資金決済手段と位置づけ、交換業者に登録制を導入した。これは世界各国に先駆けた動きだったが、ここにきて仮想通貨技術を使った資金調達「ICO」(イニシャル・コイン・オファリング)に対する規制も検討しているのだ。
ICOはいまだ「無法地帯」、詐欺まがいの案件も
ICOに対する規制が定まれば仮想通貨への関心が再度高まっていく、とは限らない。しかし、無法地帯だったICOに一定のルールが構築されることは決してネガティブな話ではないだろう。
金融庁は有職者会議「仮想通貨交換業等に関する研究会」を設置し、仮想通貨の流出リスクや証拠金取引などへの対応策に加え、投機性を有するICOへの規制について検討してきた。
ICOでは、「トークン」と呼ばれるデジタル権利証を発行して投資家から資金を調達する。ただ、ICOには審査や業績開示といった厳しい規制がなく、事業計画がずさんで詐欺まがいの案件も目立つと指摘されている。トークンは仮想通貨交換所で取引できることから、投機性を帯びるようにもなっている。
「仮想通貨交換業等に関する研究会」は2018年3月に設置され、合計11回の議論を重ねている。何が話し合われたのか、論点を具体的に見ていこう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら