マクラーレンに乗ってみた!! 市販モデルに詰まった、F1仕込みのレーシング魂

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後ろから見た12Cスパイダー

試乗の間ずっと感じていたのは、「いつでも加速できますよ」とでも言わんばかりのエンジンのパワフル感。カタログ値でいくと、発進から時速100kmまでは3.1秒、同200kmまでは9.0秒で達する。

走行時の安定感も高い。12Cクーペ、12Cスパイダー、P1ともに共通するが、ボディの骨格には軽くて強く(そして高価な)炭素繊維(カーボン)を用いていることも関係しているかもしれない。体感と実際の速度に、時速20~30kmぐらいの差を感じた。つまり、時速60kmでも、30~40kmぐらいでゆっくり走っているような感覚だ。

都内の一般道ではもてあます性能

12Cスパイダーは電動で屋根の開閉ができるが、その時間はわずか17秒。試しにオープンにして都内を走ったのだが、赤のスーパーカーでしかも屋根をあけていたこともあって、信号待ちの場面では、通行人から結構な視線を感じた。

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17秒で屋根が開く

ただ、都内の狭い一般道を走るのは、もったいないと思った。冒頭に書いたように、首都高で少し思い切った運転をしたときが、もっともクルマとしての性能を発揮している印象だった。

加速だけではなく、コーナリング性能も抜群だ。攻めてはいないが、ちょっとしたカーブで普通に走っていたら、それまでピッタリつけていた後ろの乗用車が、ついて来られず、あっという間にスピードを落とした。さすがレース屋のクルマ、といったところだろうか。

記者は、フェラーリ「F12 ベルリネッタ」やテスラ「モデルS」など、モータージャーナリストでもなければ、なかなか乗る機会を得られないクルマの試乗記を、東洋経済オンラインで紹介してきた(関連記事「フェラーリに乗ってみた!!」「あのテスラ『モデルS』に乗ってみた」など)。これらの記事に関心を示してくれたマクラーレンサイドからオファーをもらったのが、試乗のきっかけだ。

そんなマクラーレンが日本でどれだけ売れているのか。日本自動車輸入車組合(JAIA)によると、2012年度は日本で62台のマクラーレンが新車で登録されている。ちなみに同時期のフェラーリは558台。フェラーリよりも、さらに希少な存在だ。短い時間だったが、フェラーリやテスラの試乗と同様にまたも貴重な経験をしたというのが、率直な感想である。

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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