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広島に豪華「顔出しパネル」が出現しまくる裏側 背景には「おしい!広島県」のDNAが流れていた

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  • 鎮目 博道 テレビプロデューサー、顔ハメパネル愛好家、江戸川大学非常勤講師
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広島県府中町出身の漫画家・田中宏さん描き下ろしの顔出しパネル(写真:筆者提供)

こちらは、田中宏さんが制作したパネル。広島空港の出発ロビーに置かれている。ヤンキー&お好み焼きの意外な組み合わせ、そして強めに打ち出された広島弁の「熱いのぉ〜!!!」というセリフがかなりいい味を出しているが、筆者の心にいちばん刺さったのは、左下に小さく書かれた「※お好み焼きを踏んでいる訳ではありません。イラスト上の演出です。」という注意書きだ。

これに思わず吹き出してしまう。シャレが効いているではないか。そして、田中さんはパネル制作過程での裏話を明かしてくれた。

「実はあのパネル『お好み焼きを踏んでいるように見える。食べ物を踏んでいるように見えるからダメだ』と言われたんです。人物の周囲を白抜きして、踏んでいないようにして、あと、注意書きを入れなければ行政のものとしてはダメだと言われて、『そこまで厳しいんですか』と。担当者レベルまでは『こんなのどうですか?』と出したいろんなアイディアも『あぁいいですね』となるんですけど、そこから先が難しくて……」

注意書きは「行政的な配慮」だった!

注意書きは狙ったものではなく、「行政的な配慮」だったというのだ。庁内から出たクレームに広島県観光課の担当者と田中宏さんが「対処」したことが結果的に意外な面白さを生んだという。しかし、筆者から見ればとてもすばらしい話だと思う。

通常なら「お好み焼きを踏んでいるように見える」と言われればデザイン自体を変えてしまったほうが楽ではないか。広島のシンボルお好み焼きに配慮せねば……という声が県庁内から上がることも、わからなくはない。そこをあえて面白さを優先し、ギリギリの妥協案を取る「攻め」の姿勢があるからこそ、このキャンペーンのパネルは面白いのだ。

この「攻め」の姿勢はどこからくるのか。田中さんはこう指摘する。

「『おしい!広島県』から相当攻めていると思う。あのときも観光課は相当戦ったのではないか」

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【「おしい!広島県」キャンペーンのDNA】

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