中目黒に現れた「高級スタバ」の驚くべき全貌 店内には巨大な焙煎機、アルコールの提供も

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ロースタリー 東京の外観。設計は隈研吾氏(撮影:尾形文繁)

通常のスタ―バックスの店舗では、新作フラペチーノを目的とした高校生や若い女性の姿が目立つが、ロースタリー 東京では価格帯も通常店よりは高く設定されていることから、客層もかなり異なりそうだ。

英調査会社ユーロモニターインターナショナルによると2017年、日本におけるコーヒー専門店市場規模は4366億円で、2012年から年平均3.7%で成長を続けている。日本国内におけるブランド別シェアでは、スターバックスが35.9%で首位だ。2位にドトールコーヒー(20.8%)、3位にタリーズコーヒー(14.7%)が続く。

スターバックスは全国で1415店舗(2018年12月時点)展開しているが、近年は年100店舗規模の出店を継続している。SBJの水口貴文・最高経営責任者(CEO)は「1700店舗までは拡大する」と明言する。

「聖地のような存在で、心臓でもある」

ただ、あるSBJ関係者は「目先の出店に目がいきすぎるあまり、新しいチャレンジをしようという雰囲気が薄れていた。そういう点において、ロースタリー 東京の出店は社員や店舗で働く従業員の士気を高めることにつながるはずだ」と語る。

スターバックス コーヒー ジャパンの水口貴文CEO(左)と、スターバックス コーヒー カンパニーのケビン・ジョンソンCEO(撮影:尾形文繁)

実際、ロースタリー 東京で働くスタッフは全国の店舗で働く社員やアルバイトから募ったところ、数多くの従業員が手を挙げた。その後、審査を通過した約250人の従業員が働くことになった。ロースタリー 東京のティバーナで働く女性従業員は「日本茶のよさを外国の方にも日本人にも知ってほしい。ここで働けることに誇りを持っている」と笑顔で話す。

「このロースタリー店舗は、日本のスターバックスの聖地のような存在で、心臓でもある。オープンの前に、全店舗の店長を集めて研修を行った。この店舗から全国へと発信し、また全国からこの店舗を目指して人材が集まってくるような存在になる」(水口CEO)

まさに“聖地”を目指すように、客もスタッフも集まる店になるかもしれない。

井艸 恵美 東洋経済 記者

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いぐさ えみ / Emi Igusa

群馬県生まれ。上智大学大学院文学研究科修了。実用ムック編集などを経て、2018年に東洋経済新報社入社。『週刊東洋経済』編集部を経て2020年から調査報道部記者。

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