「転職を続ける40代男性」を支持する妻の真意 なぜ6回にも及ぶ転職を応援してくれたのか

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そこでぜひとも考えていただきたいのは、なぜ奥様は中村さんの過去6回にも及ぶ転職を応援してくれたのか、ということです。

おそらくですが、奥様としては中村さんにもっと幸せになってもらいたいという気持ちがあったのではないでしょうか。

現状の仕事に満足できない、不満がある――。そんな気持ちが奥様の前でも無意識のうちに行動となって現れ、奥様に心配をかけてしまっているのだと思います。

「そんな頑張らなくてもいいから、楽しいと思える、やりがいがあると思える仕事を見つけてほしい」

「自分を犠牲にして家族を守るのではなく、自分の幸せを通じて家族も幸せにしてほしい」

おそらくそういったことではないかと思われます。

仕事に対する不満が家族にも不安を与えている

男女問わず、働く人にとって仕事とは、通勤時間も含めると一日の時間の半分程度を占める対象です。その対象において幸せではない状態が続くのは、健全な人生とはいえないでしょう。

ましてや、家族持ちとなると自分一人の幸せではなく、家族全体の幸せを考えないといけません。

現状では中村さんは、仕事に対する不満から奥様にも不安を与えてしまっている状態ではないでしょうか。

であるからこそ、同じ過ちは絶対に避けるべきですし、現状に不満があり、解決の兆しが見えないのであれば転職も含め考えましょう。

幸いに、中村さんは転職回数は多いですが、ITエンジニアとしては一貫したキャリアを歩んできたと思われますから、苦労はすると思いますが、転職がまったく不可能というわけではないでしょう。

自分にとって仕事をするうえでの優先順位は何か、絶対に譲れないもの、妥協できるもの、今までなぜ失敗をしてしまったのか――。そういったことを丁寧に棚卸しして、次のアクションに備えましょう。

奥様もこれ以上悩んでいる中村さんを見たくはないはずですから、ぜひ安心させてあげられるように、全人生を懸けるつもりで真剣に悩み、考え、次のキャリアに向けた行動を起こしてみてください。

中村さんの決断と行動には中村さんだけでなく、奥様にも影響が及びます。そのことを肝に銘じて、家族を守る気概で止まるのではなく、人生を切り開いていきましょう。

そのうえで、転職に成功した暁にはぜひ奥様への感謝の言葉だけでなく、感謝の気持ちを行動に落とし込んでみて下さい。

そして幸せな家族の絆を築いていっていただければと思います。中村さんご家族の幸せを心より応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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