年収180万円が当たり前の未来に生き残る知恵 「自分の労働」以外で稼げる道を見いだせるか

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「お金がお金を稼ぐ」ことに着目してみると?(写真:bee32/iStock)
経済学者でクリントン政権の労働長官だったロバート・ライシュは21世紀初頭に、これからの仕事は給料の高い頭脳労働と、マニュアル通りに働くだけのマックジョブに二極化すると予言しました。
しかし2014年にこの予言の前提が変化します。オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授によれば2034年までに頭脳労働の多くが消滅するのです。マックジョブしか存在しなくなる未来に私たちはどう資産を形成すればいいのか。『格差と階級の未来』の著者、鈴木貴博氏が年収180万円時代の資産形成論を解説します。

今、世界中の経済学者が先進国の中流階層が消滅すると警告しています。そのような現象が起きる原因は、2020年代に進化するであろう人工知能(AI)によってホワイトカラーの仕事の多くが消滅するからです。

マックジョブはすでに世の中の仕事の主流

たとえばRPA(Robotic Process Automation)という人工知能が開発されています。このRPAをホワイトカラーのパソコンにインストールしておくと、彼ないしは彼女が行っている仕事の中で人工知能が代替できるタスク(業務)を次々と見つけてくれるようになります。

このRPAを導入して競争力を上げようとしているのがメガバンクです。行員が行っている判断業務のかなりの部分がこれから先、自動化される見通しです。これはリストラ計画としてすでに公表されていて、例えばみずほフィナンシャルグループでは今後10年間に1万9000人分の行員の仕事を削減する予定です。

これまでも日本企業はIT化やマニュアル化を活用して、非正規労働者を投入すれば翌日から即戦力として働いてもらえるようないわゆるマックジョブを増加させてきました。1980年代には社会全体の1割程度だった非正規労働者は、現在では日本全体の従業員の4割まで増加しています。言い換えるとマックジョブは今、すでに世の中の仕事の主流なのです。

そのマックジョブがAIの進化とともに2020年代には仕事全体の過半数を超えていく。とくに人工知能が得意なのは高給取りの仕事が存在してきた頭脳労働の領域なので、中流の上の仕事はこれからの10年間で激減していくことが予想されます。

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