中国人が、欧州ブランドを買い漁る 欧米ブランドは旧正月戦略
[上海/ニューヨーク 16日 ロイター] -中国の消費者は今や欧米高級ブランド品の最大の買い手だ。彼らは海外旅行などの際に高級品を買い漁る傾向が強く、ロンドンやニューヨークのブランド店は中国商戦が盛り上がる旧正月(春節)に備えて戦略を練っている。
ベイン・アンド・カンパニーが16日発表した「中国高級品市場調査」によると、中国本土の消費者による今年の高級品支出のうち、3分の2以上を海外での購入が占め、この割合は前年比で上昇した。
中国の消費者は通常、海外旅行の機会を待って高級品を購入したり、香港へのショッピングツアーを企画したり、友人や「代行」機関に頼んで海外から高級品を買ってきてもらう。中国の輸入関税は高く、海外で買う方が安いからだ。
上海で秘書として働く33歳の女性は「中国の店に時々足を運び、気に入った商品の詳細をオンラインで調べたり、オンラインでチェックした商品のサイズを確認するために店で試着したりする。でもいざ買うとなるといつも、海外に行く友達に頼む」と話す。
ベインのリポートによると、中国は今年、世界の高級品支出の29%を占め、世界最大だった。従って仏LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)
「店舗は上海や武漢にあるが、レジはロサンゼルスやニューヨーク、ロンドンだ」と欧米ブランドに中国人買い物客向けの戦略を助言するチャイナ・ラグジュアリー・アドバイザーズのセージ・ブレナン氏は言う。
中国国内では汚職取り締まりなどの影響で高級品支出が減速。ベインによると、今年の高級ブランドの開店数は前年を大幅に下回った。同社は中国国内の高級品市場が今年は2%の拡大にとどまり、前年の7%から鈍化したと推計している。