藤野 でも、それだけインパクトのある政策を打ち出せるかといえば、それも難しいでしょうね。現実的に見積もれば、2014年の日本株の上昇率は、15~30%程度だと思います。30%上昇すれば、2万円乗せを達成。2013年のような興奮はないかもしれませんが、着実な景気回復と共に、安心して見ていられるマーケットになるのではないでしょうか。
変動率が高くなりそうな、2014年の相場
渋澤 う~ん、僕はどこかで落とし穴があるんじゃないかとみているんだけれども……。
藤野 いや、ボラティリティ(変動率)は高まると思いますよ。今後、2014年にかけては米国のテーパリング問題や、日本国内では消費税率引き上げの影響が出てきますから、それをどう乗り越えていくのかということが、マーケットでも注目されるでしょう。
渋澤 年末にかけて、日本の株価は総じて順調に値上がりしたけれど、今の株価上昇の材料は、米国の株高と円安ですね。米国の株価上昇要因は何かといえば、新興国から先進国へのマネーフローや、量的緩和による部分が大きくて、企業業績の向上が全体的に確認されているわけでもない。
そして、これから雇用が改善に向かう気配が見えてくれば、企業業績や景気にとっていい傾向ですが、一方、いよいよ量的金融緩和の額を絞っていくテーパリングの話が浮上してきました。
まあ、2014年は大統領選挙の年だから、最後までもつれあって米国債の利払いや発行できなくなる、というような異常事態は避けられるでしょうけど、この手の問題がマーケットを揺るがすおそれは、まだあると思います。
ホテルが、異様に予約しにくくなっている
藤野 2013年も随分といろいろなところに出張しましたが、それで気づくことがあるんですよ。何かというと、ホテルが異常なまでに予約しにくくなっている。あと飛行機の予約もね。この間も、金曜日に泊まるホテルを月曜日から探したのですが、まったく見つからなくて、結局、クレジットカード会社のコンシェルジュサービスで探し当てたのが、リッツのスイートで1泊100万円(笑)。
中野 泊まったんですか?
藤野 まさか(笑)。
渋澤 僕も先日、海外から日本へ出張する友人が通常泊まっているホテルを予約しようとしたんだけど満室。ほかに同じグレードのホテルを探したんだけど、全然、取れなかったようです。結局、草食投資隊が使うようなビジネスホテルに泊まりました。
中野 そうでしたか。
渋澤 まあ、それはともかく。日本の株価に関して言えば、予断は許さないと思います。2013年を振り返ると、世界の成長エンジンがまったく見えて来なかった1年でした。国内の需要だけで日本経済の成長、株価の上昇を支えられるのかというと、持続的には難しいです。やはり世界経済全体が成長しないと。そういう点でも、日本の株価については、Cautiously Optimistic(慎重に楽観的)にならざるをえないですね。
中野 グローバル経済を見ると、米国主導の量的緩和があって、それに欧州や日本が追随しているQEアンサンブル状態です。米国では「イエレン・ラリー」と称して、新しいFRB議長に就任するイエレンさんの就任コメントを材料にして、株式市場が沸き立った。これがどうなるか。彼女が言うには、「FRBは実体経済の回復を最優先する。したがって、回復が確認されるまでは金融緩和を継続する」ということですが……。
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