大阪の「ゴミ処理場」に中国人富裕層が行く理由 大都市を訪れるリッチな訪日中国人の攻略法
日本のファッションブランドに夢中になる理由は、「控え目でセンスが良い」からである。そして衣料品の買い物と並んで、もう1つ夢中になっているのは、美術館、建築見学などアート巡りだという。
大阪で再会したとき、「今回大阪に来た理由は、奈良の鹿を見に行くためですか? それとも買い物ですか?」と彼らに聞いたら、「いいえ、大阪のゴミ処理場に行きたくて、今回は東京ではなく、大阪に来たよ」と答えた。
ゴミ処理場?!
調べてみてわかったが、彼らの目的地は、有名なオーストリア出身の芸術家である故フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーがデザインした舞洲(まいしま)にある「ゴミ処理場」(トップ写真)だった。
「WeChatの芸術系のパブリックアカウントで読んだよ。お城みたいに芸術感があふれているし、観光客、というか日本人にもあまり知られていないようなので、いっぱい楽しめたわ」と彼女。
彼氏はライカとキヤノンのカメラを持ち、彼女と非日常の「舞洲ゴミ処理場」の写真を1000枚近く撮った。「戻ったら加工し、家族や一般の知り合いが見る朋友圏(WeChatのタイムライン)にちょっとだけ投稿し、芸術好きチャットグループにもアップしたい」と使い分けもあるようだ。つまり、友人、家族、同僚がみるWeChatでさりげなく記念写真を残し、いちばん自慢したい友達の間にはもっと詳細な写真を投稿するのだ。
アート熱は高まる一方
このカップルだけでなく、若年富裕層の間で、美術館、展示会に行くアート熱がますます高くなっているようだ。WeChatのパブリックアカウントから旅行・ライフスタイル誌まで、「東京の美術館に行こう」という内容もどんどん増えている。
東京では根津美術館が既に定番スポットだ。外国人観光客からみると日本らしい要素である庭・木造・天井の低い部屋などが揃っているため、必ず足を運ぶ。
彼ら若い富裕層たちは、美術展を満喫し、そのあと東京や大阪で日本のファッションブランドの買い物を楽しんでから、日本でも話題になったカフェでお茶をしながら写真を友人と共有したりするのが定番だ。たとえばムンク展や、顔真卿展を見に行ったときにも、数時間に及ぶ待ち時間を楽しんだという。
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