就活生の半数利用「転職口コミサイト」の存在感 就職ナビサイトの情報に学生は疑心暗鬼

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運営者側も学生の利用が増えていることを実感している。「2年ほど前から、学生が口コミサイトを見るようになった」と話すのは、転職向け口コミサイト「カイシャの評判」を運営するエン・ジャパンの寺田輝之執行役員だ。同社によると、「カイシャの評判」には月に約500万人(ユニークユーザー単位)のアクセスがあるが、うち大学生が80万人を占める。「○○会社 評判」といった検索をする過程で発見する学生が多いという。

同じく転職者向け口コミサイトの大手である「Vorkers」でも、学生の口コミサイトの利用がかなりのボリュームになっていることを確認している。運営するヴォーカーズによると、2019年1月時点で2019年卒の学生・大学院生のVorkers会員登録者数が約23万人に達したと発表している。リクルートワークスの大卒求人倍率調査によると、2019年卒の民間企業への就職希望者数は43.2万人となっており、就職希望者のおよそ半数がVorkersに登録した計算になる。

Vorkers登録者で特徴的なのは、難関大学の学生の利用が多い点。学校別の登録者を見ると、東京大学が3095人、京都大学が2415人、慶應義塾大学が6575人、早稲田大学が8483人となっている。該当学年の学生のうち東大・京大が4割前後、慶大、早大が7~8割が登録している計算になる。大学院などへの進学者数を除いた就職希望者を分母にすれば、ほとんどの学生が登録しているといっていいだろう。

「2020年卒の学生の登録も前年同期比2~3割増で推移している」(ヴォーカーズの増井慎二郎社長)としており、学生の就活での利用はさらに広がりそうだ。

会社のリアルな情報が知りたい

ここに来てなぜ、口コミサイトの利用が拡大してきたのか。検索にひっかかりやすいということもあるが、学生が本当にリアルな情報を求めているという背景もある。

「学生から話を聞くと、『就活ナビを信用していない』という声が少なくない」(エン・ジャパン新卒iroots事業部の小笠原寛氏)というように、既存の就活メディアの情報に対する見方が変わっていることが大きい。

就職情報会社が運営する就活ナビには、多くの会社の採用・求人情報が掲載されているが、こうした掲載ページは基本的に企業側が料金を支払って掲載する「広告ページ」の側面が強い。そのため、企業がアピールしたい待遇や社内環境、キャリアアップの方針などの「いい情報」であふれている。「社員がリアルに語る」と書かれていても、採用担当者や広報のチェックを経ているものなので、実際に働いている社員がどんな思いで仕事をしているか、見えてこないことが多い。

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