「病院大淘汰」都心立地ですら安泰じゃない過酷

実需次第で再編すれば今の半分でも成り立つ

「病院過剰」国の日本でいま、多くの経営問題が浮上してきている(デザイン:池田梢)

「医は仁術」というが、経営が安定しなければ医療の質は保てない。赤字経営を放置すれば、病院の存続自体が危うくなる。

2月4日発売の『週刊東洋経済』は、「病院が消える」を特集。人口減少や医師不足、コスト上昇で病院の経営は厳しい。診療中止や民事再生に至った病院を追っている。

今年1月、東京都中央区の石川島記念病院は白い仮設の壁で囲まれていた。壁には診療中止を知らせる貼り紙があり、道行く近隣住民が足を止めて眺めていた。近くのマンションに住む女性は、「自分もかかったことがあるが、休院とは知らなかった」と驚く。

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この病院は47床の入院病床があり、内科や整形外科、心臓病センターなどの診療科を設けていた。が、昨年12月から経営悪化を理由に診療を休止していた。近くに住む男性は、「突然診療をやめて困っている。この地域は高齢者が多いが、整形外科が少ない。腰を痛めた母親が通っていたが、ほかの病院を探さなければいけなくなった」。また、中央区に3つある2次救急指定病院の1つだったが、9月から救急患者の受け入れも中止していた。

中央区医師会の遠藤文夫会長は、「廃止は寝耳。医師会にも直前まで連絡がなかった。中央区は治療後のリハビリや療養が必要な患者に対応する病院が不足している。石川島記念病院は、こうした患者の受け皿になっていた」

昨年9月、病院側から東京都に連絡があった時点で、病院は休止ではなく廃止の予定だった。石川島記念病院は、もともと大手重工業メーカー・IHIの健康保険組合が運営していた病院だ。それが2012年、医療法人社団健育会に特例で譲渡されていた。それにもかかわらず、たった6年で休止になったのだ。病院に対し東京都は再開を要請しているが、都の担当者は憤りを隠せない。

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