「健育会に引き継がれたのは、特例措置だった。本来なら病院を廃止したうえで開業という流れになるが、この地域はすでに病床数が多かったため、新しい病院を設立できなかった。しかし、『地域医療を守る責任を果たす』という条件で、特例的に引き継ぎが認められた」
『週刊東洋経済』は、法人の直近3期分の財務諸表を入手した。2015年は約5億円の最終赤字、2016年は約1200万円の黒字を出しているものの2017年は17億円の最終赤字に転じていた。健育会は石川島記念病院以外にも、板橋区の竹川病院や静岡県の熱川温泉病院、神奈川県の湘南慶育病院など7病院を運営している。健育会の担当者は、病院ごとの財務の詳細は明かせないというが、石川島記念病院について「2014年に新設した心臓病センターが地域のニーズに合わず、患者が集まらなかった」と説明した。
この病院の元職員は、こう実情を明かす。
「診療中止には驚かなった。石川島記念病院の赤字によって法人が運営する他の施設の黒字を帳消しにする状態だった。もともと高齢者向けのリハビリや療養の病院に強い法人で、心臓病治療に関しては素人。近くに聖路加国際病院などの有力病院がある中で、素人集団が心臓病センターを構えても儲からないのは当たり前だ。心臓病を手術する医師とのつながりがないから有力な医師を確保できず、周りの診療所からの紹介も得られない」
東京都と医師会からの要請を受けて同院は、心臓病治療からリハビリや整形外科を中心にした診療に切り替えて、今年9月以降に再開を予定している。
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