家電見本市で見たスマートハウス普及の課題 積水ハウスが国内住宅メーカーで単独初出展
AIやIoTの技術を導入したスマートハウスの普及が今後、世界的に見込まれている。では、現時点でどのような変化が起きているのだろうか。驚くべき新技術・新発想はあるのだろうか。課題はないのだろうか――。筆者はそんな視点を持ち、アメリカ・ラスベガスで開催(1月9日~12日)された世界最大の家電見本市「CES2019」を訪れた。
まず目に付いたのはAlexa
住宅分野について現地では、「スマートホーム」としてカテゴリー分けされていた。ただ、本稿では日本人にとってよりなじみのある「スマートハウス」という言葉を使いたい。なお、ヘルスやライフスタイル関連などとともに1つの会場が形成されていた。
スマートハウスの出現当初はHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)によるエネルギーの「見える化」、それによる省エネが主要な導入目的とされていた。ただ、近年ではAI・IoT技術の進化と普及により、住まいと暮らしの利便性や快適性を高める住宅という、より広義な意味で使われるようになっている。
さて、CESの会場でまず目に付いたのはスマートハウスカテゴリーの近くに設けられていた、アマゾン・ドット・コムの「Alexa」(音声アシスタント)専用展示スペースだった。Alexaがロボットや自動車などさまざまな製品とつながり、コントロールできるというデモンストレーションが展開されていた。
「Alexaが『プラットフォーム(ここでは家電などを統合的に制御するシステムのこと)』となり、あらゆるモノにつながり一括管理し、モノを操作できる世の中がすぐそこまで来ていますよ」という感じで、多くの人の注目を集めていた。
これはGoogle、Appleなども同様だ。今回のCESは、現地でのブースの展示内容や来場者による関心度の高さ、ラスベガス市内での広告展開などから、家電や住宅設備を統べるプラットフォームを巡る主導権争いの激しさ、それに関する世界の注目度の高さを改めてうかがい知る機会となった。
このほか、個別の製品やサービスに関する展示ブースでは、北米やヨーロッパ、中国などの企業が入り交じり、こちらも活気が感じられた。とくに、若い技術者によるベンチャー企業が多かった。
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