私が起業を決意した同僚の「ある一言」 Origamiの康井義貴CEOと語る(上)

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日本人として「日本発」で世界を驚かせたい

康井義貴(やすい・よしき) Origami CEO  1985年、トロント生まれ。トロント、ニューヨークで育ち、高校生(16歳)のときにeコマースビジネスを立ち上げる。その後、シドニー大学、早稲田大学卒業後に米国大手投資銀行リーマン・ブラザーズでM&Aアドバイザリー業務を経験。シリコンバレーのベンチャーキャピタルのDCM(ドール・キャピタル・マネジメント)では米国、日本、中国でスタートアップ企業への投資を手掛けた。2012年、Origamiを設立しeコマースの革新を狙う。

康井:日本で起業するか――というのは、ずっと迷っていたというか、バリテート(検証する、妥当性を確認する)していました。ただ、結論から言うと、2つあります。ひとつは、個人的な思いですが、日本のベンチャーが世界で元気がないと言われている中で、日本人として「日本発」で世界を驚かしたいということ。だから、Origamiという会社名も、日本語で、世界中、誰もが知っている言葉、かつ、アントレプレナーシップ(起業家精神)を表す言葉を選びました。

もうひとつは、客観的に見たときに日本は言われているほど悪いマーケットではなく、むしろ非常に魅力的なマーケットだからです。なぜか――というと、欧米に比べて、マーケットサイズがあるにもかかわらず、競争環境が緩やかです。また、消費者は、モバイルやテクノロジーが好きで、おカネがあるところにはある。海外からは言語の問題があり、「Hidden Market(隠れたマーケット)」である等々、いいポイントもたくさんあります。なので、僕自身がシリコンバレーや中国など、さまざまなビジネスを見てきた中で、欧米式の経営スタイルで日本のマーケットでビジネスをしたら面白いと思い、日本からスタートしました。

伊佐山:「日本の会社をグローバルにする」というのが僕の問題意識です。だから、ヨッシーが起業するときも「米デラウェア州やカリフォルニア州の法人にしたら」という話はしたし、日本の企業のメリット、デメリットについても話しました。

なぜ、アメリカの法人にしたほうがいい――と提案したのかというと、企業名や資料が英語だと世界の投資家を相手にできて、資金を集めやすいからです。日本の会社にすると、資金集めがまず日本からになってしまう。Origamiはチームも多国籍で、英語でプレゼンテーションも資料作成もできるから、海外でも通用すると思ったのです。

ただ、僕の理想の先である、日本の会社であっても外国投資家が出資したくなる会社にすれば、本質的に問題がない。ここにきて日本発のコミュニケーションアプリのLINEが世界的に注目され、また日本の株式市場に外国投資家が戻ってきている。スカイプ共同創業者のひとりである二クラス・ゼンストロームが設立したファンド英Atomico(アトミコ)やシリコンバレーのDCMをはじめ、欧米のファンドも日本を無視しているわけではない。

そういう意味では、僕が思っている以上に世界のビジネス環境が変わってきていて、日本企業であっても、ヨッシーが考えている事業プランを実現していけば、外国投資家を引っ張れる時代になっているかもしれません。

僕がヨッシーに言っているのは、「日本のベンチャーとしては大きなおカネも集められたし、すばらしいメンバーが集まっているので、事業プランがエグゼキュート(実行)できているかをシビアに見たうえで、本当に大きなビジネスにしていく必要がある」ということですね。

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