2019年の株価はここから意外に上昇する?

株価は悪材料が多い中でも意外に堅調

確かに「かんたん」「おまかせ」をうたう運用は、投資初心者に対するハードルを下げ、日本の個人マネーに新陳代謝を与えるという利点もある。しかし、機械化されたトレードは短期間で意図せぬ方向へ加速することもあり、想定を超えるリスクが発生する。2018年末の株安や2019年初めの急激な円高が記憶に新しいところだ。さらに投資先の銘柄まで「おまかせ投資」した場合、株高が続いていれば問題ないが、株安となって損失を被ったときに選定条件がブラックボックス化されているため、その敗因を知ることができない。

著名投資家のウォーレン・バフェット氏は「株券ではなく事業を買え」と唱えている。そのうえで「リスクとは自分が何をやっているかよくわからない時に起こるもの」と諭している。バフェット氏も教えてくれているように、「ゴールドラッシュで勝った人」と「投資で成功する人」の共通点は、「他者と同じことをしないこと」、「後追いのフォロワー(追随者)にならないこと」ではないだろうか。ビジネスや運用の世界も、体の汗も頭の汗もかかずに成功できる方法はないはずだ。本当にあるのなら、だれも苦労もしないし、人は努力すらしないだろう。

今後はリスクパリティファンドの買いも?

さて、ここへ来て日米株の予想変動率(ボラティリティ)が落ち着きつつある。予想変動率とは、オプション価格の動向から投資家が将来のブレをどの程度見込むかを指数化したもので、日米株の場合は通常10台は安定相場、30超えなら荒れ相場とみなす。

2019年1月中旬には、米S&P500指数から算出したVIX指数(恐怖指数)も一時17台まで低下し、過度な下値不安もいったん和らいできた。米政府機関の一部閉鎖が続き、国際通貨基金(IMF)が世界経済見通しを下方修正するなど悪材料が依然多い中で、懸案の米中貿易交渉では両国の歩み寄り姿勢が見られているほか、米金利も落ち着きをみせている。日経平均株価の予想変動率(ボラティリティ)も20前後と、1ヵ月ぶりの低水準だ。

こうしたとき、最近のマーケットに影響度の高いリスクパリティと呼ばれる戦略をとるファンドはどう動くのか。この戦略ではポートフォリオ全体のリスク割合が均等になるよう、ボラティリティの動きに合わせて機械的に各資産(株、債券、商品等)を増減させている。予想変動率が低下しているなかで、今後は同様のファンドが株式の組み入れを増やすことも想定される。

なお、日本株の需給動向にも注目しておきたい。2019年1月23日の日経平均株価は2万0593円。日銀は金融政策決定会合で大規模緩和策の継続を決定した。「ETF等の資産買い入れも現状維持」としたため、日経平均株価への寄与度の高い値がさ株が買い戻された。

また、投資主体別の動きを見ると、2018年12月、年金基金の動向を映すとされる信託銀行が5976億円も買い越している。これは、日銀による上場投資信託(ETF)の買い入れの基本ペース(月5000億円×12カ月≒年6兆円)を上回る勢いだ。また、週間ベース(2019年1月第2週時点)でみても、海外勢が9週連続で売り越している一方、信託銀行は8週連続で買いを継続している。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)等が資産配分のリバランスを目的に、日本株を組み入れていることも想定される。

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