小泉進次郎が描く公的年金「大改造計画」

人生100年時代の安全網をどのように築くか

――高齢者就業の拡大に対応し、国民年金の保険料納付期間を現行の最大40年(20歳~60歳)から45年(20歳~65歳)に延長する改革案もあります。ただ、これについても新たに年1兆円以上の国庫負担が必要となることから、政府の議論は低調です。

村井:国民年金の納付期間延長を行わなくても、現状で70歳まで繰り下げれば年金額は最大42%アップになる。まずやるべきは、繰り下げの定着や75歳までへの繰り下げの拡大だ。そのため、新たな国庫負担が必要となる基礎年金部分についてはすぐにそれを行うことにはならないだろう。

在職老齢年金の見直しについて、村井氏は「医療・介護や税制まで含めた、トータルな負担を見ていく必要がある」と語る(撮影:尾形文繁)

――短時間労働者や非正規労働者にも厚生年金を適用拡大していくことが検討されています。

小泉:われわれは、それを「勤労者皆保険制度」と呼んでいる。週20時間以上働いている人であれば、誰にでも厚生年金の適用を劇的に拡大していこうというものだ。それで将来、(厚生年金より給付の少ない)国民年金だけにとどまっていく人を減らしていく。勤労者皆保険制度は、人生100年時代のセーフティーネットみたいなものだ。

複線型のライフプランに対応した年金

小泉:私はよく縦の改革と横の改革が必要だと言っている。繰り下げ受給や在職老齢年金制度の廃止などによって高齢者就業を促進するのは、年齢という縦の軸を延ばしていくものだ。これに対して、労働のモビリティーを高めるための横の改革もある。国民一人ひとりが人生の中で切り替えしやすくなるような改革を進めたい。

村井:横の改革としては、副業兼業の解禁があるが、勤労者皆保険制度もそれがあることによって、どこの職場に移ってもしっかりと社会保険で守られるため、労働のモビリティー促進につながる。

――高齢者を含め、働き手が充実することは社会保障制度の維持・強化にとって不可欠です。

小泉:高齢化で社会保障費が増える中、この国はこれまで「歳出減か? 負担増か?」という二者択一でやってきた。だが、われわれは社会保障の支える側と支えられる側のバランスを変化させるアプローチを取っている。

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