「勝てるはずの新潟」で野党が敗れた深刻理由 前回の知事選よりも有利だったが…
6月10日に投開票された新潟県知事選は、自民党と公明党が支持した元海上保安庁次長の花角英世氏が54万6670票を獲得して当選した。野党5党などが推薦した前県議の池田千賀子氏が獲得したのは50万9568票で、その差は3万7102票。投票率は58.25%で、非自民党候補が当選した前回の選挙を5.2ポイント上回っている。
注目度の高かった選挙での敗退はまさしく野党にとっては「痛い」結果となった。その敗因とは何なのだろか。
優勢と考えていた野党側に「緩み」
まず気になるのは野党側に「緩み」があったのではないかという点だ。筆者が入手した国民民主党による5月26日・27日の調査結果では、池田氏が43.9に対して花角氏が33.7で、池田氏が10ポイントもリードしていた。
一方で自民党が5月19日・20日に行った調査では花角氏が43.3に対し池田氏が38.1、5月26日・27日の調査では花角氏が44.0に対して池田氏が41.5と接戦状態だった。
実際にはどうだったのか。選挙戦の最中に日本共産党関係者に聞いてみたところ、「うちの感触は自公支持候補がややリードの接戦。池田候補が大きくリードしていると見ていない」とのことだった。しかし、終盤になって池田氏が猛撃することが予想された。というのも、2016年の知事選では当初、自民党と公明党が推薦した森民夫候補がリードしていたが、最終盤になって共産党や自由党、社民党などが推薦した米山隆一候補が競り勝った経緯があるからだ。
ただしこの時は、連合新潟は原発再稼働に反対した米山氏に反発し、森氏を支援した。当初、連合を支持母体とした民進党は静観を決め込んだが、米山氏が有利と見るや、党内での求心力を回復したい蓮舫代表(当時)が新潟入りして応援するなど野党による支援体制は弱かった。
それに対し、今回は連合新潟が池田氏を推薦し、立憲民主党や国民民主党もこれに倣っている。いわば野党にとって、枠組みの上では前回の知事選よりも有利な条件が整っていたわけだ。
しかし政策の上ではそうではなかった。
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