「勝てるはずの新潟」で野党が敗れた深刻理由

前回の知事選よりも有利だったが…

花角氏は原発政策は米山前知事の路線を継承することを宣言。自民党や公明党の推薦を断り、政党色を薄めるスタンスで臨んだ。野党側は争点を失い、中央からの応援弁士が訴えるのは森友学園問題や加計学園問題が多くなった。これが有権者にとって、池田氏の「新潟のことは新潟で決める」というキャッチコピーと乖離を感じさせたのではないか。

さらに闘い方の差があった。自民党は二階俊博幹事長の指揮の下で、地元の建設業者などを中心に大規模で綿密なローラー作戦を展開。公明党は国政の代理戦争化を嫌ったとして一時は自主投票を決めたが、もともと花角氏と関係が深く、全力投入している。

このような徹底した「地上戦」は、野党が真似できるものではなかった。花角氏の「副知事」などの経歴は市議3期・県議1期の池田氏より全県的に浸透しやすかったともいえる。

動員力は池田陣営の方が上だったが…

しかしながら動員力は池田陣営の方が上で、投開票日の10日夜に配信された選挙対策事務所の様子は、池田陣営の方が華やいで見えた。自民党による調査では最終盤で花角氏が7ポイントリードしていたにもかかわらず、午後8時を過ぎてもなかなか当確の判断がつかなかったのは、こうした事情からだ。

花角陣営が「地上戦」に力を入れる一方、「空中戦」が手薄に見えた理由のひとつに、「応援すれば当選する」と言われる小泉進次郎衆議院議員が新潟に入らなかったことが挙げられる。これには知事選告示日の前日に、反原発の講演のために新潟入りしていた父・小泉純一郎元首相が池田氏と面会しエールを送ったため、「親子分裂と言われるのを避けたのではないか」と言われた。また官邸に批判的な進次郎氏が、新潟入りを拒否したとも囁かれた。

真相は不明だが、「選挙の人気者」が応援することなしに勝てたことで自信を深めたのは二階幹事長だろう。

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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。