「シャープ」が描く北米市場への復活プラン CES展示の「Powered by Foxconn」の意味とは
また、同じフォックスコン資本のイノラックス(液晶パネルベンダー)が開発している「mini RGB LEDバックライト」技術を用いた液晶テレビも展示していた。これはシャープの技術ではないが、OLEDに対抗できる画質を液晶から引き出せることを示すために展示したといいう。
詳細については「まだ明かせない」(石田氏)というが、コントラスト比が高いだけでなく、広く純度の高い色再現と高いピーク輝度など、OLEDに匹敵する映像の質とOLEDでは実現できない輝度の高さを実現していた。ただし、コストが高いため価格とのバランスを考えながら、将来、ニーズに合わせてシャープ製品にも導入を検討していく段階という。
グループ全体のシナジーは広がっている
「これらは一例。例えばシャープの掃除機に軽量化のために使っているカーボンファイバー製のパイプは、フォックスコン資本の素材メーカーから調達するなど、技術交流はかなり深いレベルにまで達している。日本と深圳(しんせん)での分業をしている例も多く、グループ全体でのシナジーは外から見えるよりも広がっている」と話す。
もっとも、ほとんど“ゼロベース”に近いところからの再挑戦である。
ブース内には東芝から買収したDynabookの超軽量パソコンも展示されていたが、具体的にどのような販売体制を構築できるかは、今回のCESを通した商談から積み上げていかねばならない。
テレビの商標ライセンス問題も含め、解決しなければならない問題は多い。実際に事業を始めるまでには、まだしばらくの時間がかかるだろう。しかし、北米市場への復帰に向け、シャープは本格的に投資する段階に入った。
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