30歳「一見普通な僕」の誰にも言えない過去 父になる彼が学生時代に溺れた脱法ハーブ

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東京に憧れ、高校卒業後は都内の私立大学へ進学。奨学金は借りず、親からの仕送りを10万円ほどもらい、それに加えて運送のアルバイトで稼いで生活をした。家賃は6万円だった。オールラウンドサークルにも入ったが、途中からつまらなく感じ始めて2年の途中で辞めた。

そして、思いもよらぬ誘惑が彼を襲うことになった。

「当時、脱法ハーブ(現在は危険ドラッグに名称変更)ってはやったじゃないですか。今は違法ですが、当時はまだ合法だったので、あれにどっぷりハマってしまって……。音楽やファッション、サブカルチャーが好きなので、その関係の友達経由でハーブを始めたら、廃人生活に突入してしまいました。

普通に駅前の雑貨屋で売っていたし、あまり罪悪感もなく、タバコ感覚で吸っていましたね。当時、大麻は1グラム3000円でしたが、ハーブは3グラムで3000円というお手軽価格で購入できました。学生時代を振り返って何がいちばん楽しかったかと聞かれると、ハーブしか思い浮かばないんですよね……。結局、ハーブにハマりすぎて大学にも行けなくなったので、休学という措置を取りました」

当然親は、浩二さんが休学した理由を問い詰めたが、薬物にハマっているとは口が裂けても言えない。親ともめた末、仕送りはいらないと伝え、3年間休学した。休学中もハーブを吸い続け、アルバイトをしたり海外旅行をしたりしてフラフラして過ごした。しかし、休学2年目を迎えたところで、だんだん周りの友達も「この状態、ヤバくないか?」と言い始め、彼自身も流されるように復学をした。

復学、ハーブとの決別から就活へ

「卒業だけはしておくかと、頑張って1年間で単位を取って卒業しました。復学のタイミングでハーブもきっぱりやめました。就職はする気がなく、とりあえずフリーターでもやるかと思っていた矢先、当時のアルバイト先のカフェで現在の嫁さんと出会いました。彼女に『この先どうするの?』と聞かれ、恥ずかしながらその言葉をきっかけに就活を始めた感じです。リーマンショックが落ち着き始めた後で、いくらか景気は安定していたのですが、こんなに空白期間のある学生を採る企業なんてなかなかないので、就活はとても苦労しました」

そして、制作会社に契約社員として採用され、下っ端ADとして働き始めた。就職を機に引っ越しもした。家賃は学生時代より5000円アップの6万5000円。手取りは22万円でボーナスはなかった。まじめに働いていたつもりだったが、パワハラに耐えきれず1年で退職した。

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