栗城史多を唯一撮っていた男が発信する意味 今の空気は不自由「もっと自由に生きていい」
佐々井さんの講演が近県で行われるとフェイスブックで知り、行くなら取材できればと思ったのがきっかけです。それまでは失礼ながら全く知らない方でした。
――佐々井さんのどのようなところに興味を持ったのでしょうか。
単純に「かっこいいおじいちゃんだな」と。仏教発祥の地のインドで、お坊さんとして活躍している方なんて知らなかったので面白いと思いました。佐々井さんは32歳でインドに渡っています。私は中田英寿世代なので「自分探し」にロマンを感じてしまいます。やっぱり挑戦している人は好きですね。
――今、撮りたいテーマはありますか?
栗城さんの記事では「空気」という言葉を使いました。日本の今の空気は不自由じゃないかなと個人的に感じています。きょう、赤坂見附駅周辺の地下道を歩いたのですが、そこには歌っている人も、路上生活者もいませんでした。海外だったら誰か自由にその空間を使っている人がいるんじゃないか。皆がルールを守っているのですが、その「空気」が不自由も生み出しているのではと感じます。
栗城さんや佐々井さんは「もっと自由に生きていい」という可能性を教えてくれた人たちでした。そういった方々を今後も紹介したい。撮りたい人、面白い人は大勢います。その中でも、誰も取り上げていない人を取り上げたいとも思っています。
映像は人に影響を与えることができる
――「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーに参加して変わったことはありますか。
表現する場所があることで、取材交渉は簡単になりました。うまく使わせていただいています。ただ、クセのある方を取材するのは変わらず大変ですけどね。
――表現の場としてこのプラットフォームはいかがでしょう。
現状では、テキストを読む場所と見られており、映像の分野はこれからだと感じています。文字は文字で素晴らしいし、時間のとられる映像と違って、テキストは一瞬で内容を把握できます。
ただ、私は、やっぱり専門である映像で表現していきたいと思います。映像は、例えば映画は2時間我慢すれば終わる、本を読むことと違い、ほっといていても進む楽なメディアですが、でもその中で、考え方を変えたり、人生が変わったり、影響を与えやすいメディアだと思っています。
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