栗城史多を唯一撮っていた男が発信する意味 今の空気は不自由「もっと自由に生きていい」
藤岡さんは、なぜ挑戦し続けている人を撮るのか。発信への思いを聞きました。
批判を乗り越えて登頂する栗城さんを撮りたかった
藤岡さんは今年3月、8回目のエベレスト挑戦を控えた栗城さんにインタビューを実施し、日本を飛び立つ4月17日に長さ11分ほどの動画を公開。そのおよそ1カ月後の5月21日、エベレストで下山途中の栗城さんが遺体で発見されたとのニュースが飛び込んできました。
――栗城さんの訃報はどのように受け取ったのでしょうか。
「Yahoo!ニュース 個人」の編集者から連絡をもらって知りました。2015年のエベレスト挑戦で栗城さんに同行した同僚と、栗城さんの事務所に確認したところ「そうだ」と教えてもらいました。
――訃報の次の日にはインタビューを再編集した動画を公開。何を伝えたいと思っていたのでしょうか。
4月に公開したインタビュー動画では、テロップなども丁寧につけたり、編集で「間」を短くしたりしていましたが、もっと、生の映像、栗城さんの生の声を伝えたいと思いました。「間」を編集せず、そのままにすると見づらくなりますが、「間」も含めて表情を見せた方が、ユーザーは栗城さんについて、より考えられると考えました。
――栗城さんを取材するきっかけは?
2014年にイベントでお会いし、私の2作目の映画『立候補』のファンですと声をかけていただいたのがきっかけです。その後、『立候補』みたいな映画を撮ることはできないかと栗城さんから提案があり、2015年に話を詰めていました。