米雇用、12月は31.2万人増で市場予測上回る 成長急減速への懸念が和らぐ可能性も

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 1月4日、2018年12月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が31万2000人増加した。写真はボストンの店頭にはり出された求人広告。2014年9月撮影(2019年 ロイター/Brian Snyder)

[ワシントン 4日 ロイター] - 米労働省が発表した2018年12月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が31万2000人増加し、2月以来10カ月ぶりの大幅増となった。市場予想の17万7000人増も大きく上回った。

時間当たり賃金は前月比0.4%増と、前月の0.2%増から伸びが加速し、予想の0.3%増を上回った。前年同月比では3.2%増。

景気の底堅さを示し、成長急減速への懸念が和らぐ可能性もある。

失業率は3.9%に小幅上昇した。11月の失業率は約49年ぶりの低水準となる3.7%だった。

労働参加率は63.1%と、17年9月以来の高水準に達した。

10・11月分の雇用者数は計5万8000人上方修正された。

キャピタル・エコノミクスの首席エコノミストは「12月の雇用急増は、景気後退が近いとの市場不安をあざ笑う内容にもみえる」「今回の統計は、米国経済がかなりの勢いを保っていることをうかがわせた」と話す。

12月は幅広い分野で雇用が伸びた。

建設業は3万8000人増、11月は季節はずれの寒さの影響を受けてゼロとなっていた。

小売りは2万3800人増、製造業は3万2000人増、専門職・企業サービスは4万3000人増、政府部門は1万1000人増、レジャー・接客は5万5000人増だった。

平均週間労働時間は34.5時間と、11月の34.4時間から伸びた。

2018年は260万人分の雇用が創出された。17年は220万人だった。12月の雇用増に伴い、国内の雇用者総数が初めて1億5000万人を突破した。

ソシエテ・ジェネラルのシニアエコノミストは「FRBが今年出る幕はないとの観測が、今回の統計を受け少なくとも本日のところは後退するだろう」と分析した。

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