チャンス大城の何とも波乱万丈すぎる生き方 壮絶な経験をネタにお笑いへとたどり着いた

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ある時は、「図書室の本を半分盗んでこい」と命令された。

下校時に教室の窓の鍵を開けておいて、夜中に忍び込んだ。図書室で本を担ぐと、学校近くの地下道まで持っていった。何度も往復してヘトヘトになった。

翌朝、大城さんの通う中学校の校長先生が地下道を通りかかると、そこに住み着いていたホームレスが本で家を作っているのを見つけた。よく見てみると、自分の学校の図書室の本だった。校長先生は朝礼で、

「悲しいお知らせがあります」

と、顛末を話した。

「どうせならホームレスさんに本を読んでもらえたらいいなと思って地下道に置いたんですけど、まさか家にしてしまうとは……」

「面白い人はいじめられない」という言葉を思い出す

「いじめは、だんだんエスカレートしていたのでなんとか止められないかと考えました。ダウンタウンの松本人志さんが『面白い人はいじめられない』って言ってたのを思い出しました」

自分が面白いということを示せば、いじめられなくなるかもしれないと考えた大城さんは、当時関西地方で大変人気があったTV番組「4時ですよーだ」のオーディションを受けることにした。

「オーディションを受けたら合格しました。そして本番で1人コントをしたら、まさかの優勝をしてしまいました」

景品には、セガ・エンタープライゼスから発売したばかりの家庭用ゲーム機「セガ・マスターシステム」が送られた。

翌日、学校に行くと一躍スターになっていた。当時大城さんは中学2年生だったが、中学3年生の校舎に呼ばれ、皆の前でネタをやるよう言われた。そしてネタをやると受けに受けた。

いじめはなくならなかったけれど、「お笑い」に対して少しだけ自信を持つことができた(筆者撮影)

しかし幸せは長くは続かず、すぐに同級生の不良たちに呼び出された。

「『調子に乗ってたらいかんぞ』って脅されてて、もらったばかりのセガ・マスターシステムを取り上げられました。それからホウキでガンッて顔を殴られて腫れ上がりました。それを見ていた不良たちは大爆笑していて、本当に腹が立ちました」

いじめはなくならなかったが、それでも『お笑い』に対して少しだけ自信を持つことができた。

そして中学3年生で吉本興業が創立した吉本総合芸能学院(NSC)に入学することにした。

「第8期で、同期は千原兄弟、FUJIWARA、バッファロー吾郎というそうそうたるメンバーを排出しています。

僕はゆるい気持ちで入ったので、ほかの芸人さんのレベルの高さに参っちゃいました。それで途中で行かなくなってしまいました」

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