チャンス大城の何とも波乱万丈すぎる生き方 壮絶な経験をネタにお笑いへとたどり着いた

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「その後、千原兄弟が毎月開催してる『チハラトーク』というお笑いライブに呼んでいただきました。せいじさんの居酒屋でバイトさせてもらったことはあったのですが、舞台で千原兄弟さんとガッツリ絡むのは初めてでした」

ライブは、千原せいじさんの

「なんで俺らが5点やねん!!」

というクレームで始まったが、話題は大城さんの持つ強烈なエピソードに移っていった。心臓が右にある話、学生時代いじめられた話、そして山に埋められた話などを壇上で披露するととても受けた。

そこからトントン拍子で、人気番組『人志松本のすべらない話』(フジテレビ)のオーディションを千原ジュニアさんの推薦枠で受けるチャンスがめぐってきた。そして狭き門を突破して出演することになった。

「草野球をやっていたら急に、読売巨人軍に入団させられてしまったという感じでした。テレビ局では目に映る人全員が一流の人ですからね。それはもう緊張しましたよ」

大舞台でも「心臓が右にあってケンカを売られた話」と「不良に山に埋められた話」をした。僕はテレビで見ていたが、腹を抱えて笑った。

「うまく話せなかったなって後悔してる部分もありますけど、でも出演させてもらえて本当によかったです」

『人志松本のすべらない話』への出演がきっかけで、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに籍を置くことも決まった。

「千原兄弟さんと、岩見さんには本当に感謝してます。よしもとさんにも本当によくしていただいて。こんな老犬をやとってもらって、本当に申し訳ないです。たまに番組出させてもらうんですけど、空回りしがちで……早く期待に応えないとって焦ってます」

現在はお笑いの稼ぎは月に5万~6万円だという。今でもアルバイトをしなければ食べていけない額だが、不満はない。

お笑いでお金をもらえるという発想がなかった

「そもそもお笑いをしてお金をもらえるって発想すらなかったので。今はそれだけもらえたら十分です。

僕は見た目も汚くて華もないし、話す内容はきわどいものばかり。そもそも、人前で話すのも苦手で緊張してしまうんですよね。話し方も下手くそなんだと思います。

せめて見た目くらいはキレイにしたほうがいいかな?と思い、今は舞台で着るスーツを新調するためのお金を貯めてます。

何より面白いエピソードをもっと増やしたくて、いろいろな場所に行ったり体験しようと思ってます」

と大城さんは語った。

確かにチャンス大城さんの話を聞いて、洗練されているという印象を持たない人が多いと思う。

しかしいかにも人の良さそうな口調から放たれる、リアルで強烈なエピソードはドンッと胸に来る。そしてやっぱりとても面白い。インタビューのために話を聞いていて、何度も爆笑してしまった。

チャンス大城さんの新作エピソードを、テレビなどのメディアで聞ける日を楽しみにしている。

村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター

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むらた らむ / Ramu Murata

1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)など。

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