日本の大学の医学部教育は何が問題なのか? 医療介護の一体改革に立ちはだかる大きな壁
先日、日本病院会というところで、医師需給分科会における偏在対策の議論の説明をする機会があった。そのとき、「慶應大学の医学部も、日吉にいる間は文科省、そして医学部がある信濃町に移ったらそこでのカリキュラムは厚労省が関わっていくという方向を考えてみたいものです」と話してきた。
それは、2013年の社会保障制度改革国民会議で描かれた医療改革のビジョンの実現が、医学部のガバナンス問題が障害となって、なかなか厳しい局面に来ているようにもみえるからである。本当のところ、こういう問題は当事者たちには変えることは無理で、政治による解決こそが求められているようにも思えるのだが。
医療教育の現場で起きていること
より具体的には医学教育の現場では、どういうことが起こっているのかを端的に示すために、聖路加国際大学の学長である福井次矢先生が医師需給分科会でなされた発言を紹介しておこう。
今、この国の医療がどのような改革の途中にあるのかについては、「日本の医療は高齢社会向きでないという事実――『提供体制の改革』を知っていますか? 」(2018年4月21日)や、「喫緊の課題、「医療介護の一体改革」とは――忍びよる「ポピュリズム医療政策」を見分ける」(『中央公論』2019年1月号)を参照されたい。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら