日本の医療は高齢社会向きでないという事実

「医療提供体制改革」を知っていますか?

医療界は今、提供体制改革の真っ最中だ(写真:ocsa/PIXTA)

今、医療と介護の大掛かりな改革が進められている。2018年4月は、大きな改革の中でも特筆すべき日付として歴史に残ることになるはずだ。というのも、2018年4月1日には、「惑星直列」にも例えられていた画期的、いやびっくりするような出来事の重なりがあったからである。

4月に重なった怒濤の改革スタート

具体的には、医療や介護のサービスのあり方および個々のサービスの公定価格を決める診療報酬と介護報酬の同時改定(前者は2年周期、後者は3年周期)、地域医療構想を含む医療計画・介護保険事業(支援)計画(前者は6年周期、後者は3年周期)の同時スタートがあり、そして1961年の国民皆保険制度の成立以来57年間、市区町村が財政運営していた国民健康保険は、今年の3月に、その財政運営の責任が都道府県に移ったのである。

この国民健康保険の財政運営主体の都道府県化について、今から5年前の2013年に今の社会保障制度の改革の方向性を示した社会保障制度改革国民会議(以下、国民会議)は、「国民健康保険の保険者の都道府県への移行は、(中略)国民皆保険制度発足以来の大事業」と評していた。

それだけではない。3月29日には、「人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」の報告書がまとめられている。この検討会が開かれた目的の1つは、2007年に作成された「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」(旧「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」を2014年に「人生の最終段階に……」へ改称)の改訂であった。改訂の理由は、次のようなものだ。

①病院における延命治療への対応を想定した内容ではなく、在宅医療・介護の現場で活用できるよう、「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に名称を変更。さらに、医療・ケアチームの対象に介護従事者が含まれることを明確化
②心身の状態の変化などに応じて、本人の意思は変化しうるものであり、医療・ケアの方針や、どのような生き方を望むかなどを、本人が家族や医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うこと(ACP=Advance Care Planning〈アドバンス・ケア・プランニング〉)の重要性を強調
③本人が自らの意思を伝えられない状態になる前に、本人の意思を推定する者について、家族などの信頼できる者を前もって定めておくことの重要性を記載
④今後、単身者が増えることを踏まえ、③の信頼できる者の対象を、家族から家族など(親しい友人など)に拡大
⑤繰り返し話し合った内容をその都度文書にまとめておき、本人、家族などと医療・ケアチームで共有することの重要性について記載
次ページ改革に共通する日本の医療の課題
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