ついに戦国時代に突入したECサイト

ヤフー、楽天、アマゾン…3社の戦略の違いが明確に

先行のサービスは、大手のECモールなどと比べると、顧客の誘導、定着化、販売分析などが個別のサイト運営者に委ねられ、別途用意する必要があるため、ハードルが高い。一方で、ヤフーはすでに多くの顧客を抱えており、有料ではあるものの、マーケティングや販促の仕組みを備えているという強みを持つ。

「ヤフーショッピング」の出店料や売り上げロイヤルティの無料化は、先行企業を駆逐し、最大手の楽天に対しても、料金面で優位に立つためのヤフーの戦略である。

ヤフー、楽天、アマゾン・・巨人たちの競争戦略の違いとは

顧客が「商品やサービスを認知し、サイトに誘導され、購入後にそのサイトの得意客となる」という一連の購買行動フローを考えたとき、EC大手のヤフー、楽天、アマゾンが取っている戦略の違いが明確になる。

前述の「ヤフーショッピング」の出店料や売り上げロイヤルティの無料化には、ヤフーが、上記のフロー全体でサービスを提供しつつも、収益源をサービス認知とサイト誘導に絞り込んだ、という特徴がある。 これに対して、楽天は、「楽天スーパーポイント」という強力な顧客囲い込みツールを保有しつつ、収益はフローの各所から上げていくモデルである。一方、アマゾンは一貫して購買行為から収益を上げる構造となっている。

つまり、大手3社が、収益の軸をずらしながら競争する構造となったのである。

EC革命がもたらす、CloudからCrowdへの流れ

また、ECの出店が無料化されるという動きは、個人によるEC市場という新たな分野を開拓する可能性がある。

 これらの個人型EC構築サービスは、腕があるのにそれを世に送りだす機会がなかった人たち、たとえば子育てのために仕事をやめてしまった主婦や、技術を持ちながら定年退職した高齢者などが、自身の価値を世に提供する機会を生んでいる。

後述するECの市場規模には含んでいないが、サービス業では、「クラウドソーシング」によるビジネスマッチングが始まっている。ここでの「クラウド」はCloudではなく、Crowdであり、「群衆」を意味する。クラウドソーシングでは、技術やノウハウを持った個人と、それらの人材を求める企業とをマッチングする。スキルの高い人材は、より多くの報酬の高い仕事を得られる。

さらに、Squareなどのスマートフォン決済の登場により、サービスの対価を受け取る仕組みを安価で手にすることができるようになった。これまでは、現金か銀行振込が現実的な手段であったが、クレジットカードや電子マネーを利用できるようになれば、代金回収のリスクも減り、より質の高いサービスの提供に集中できる。

次ページ「爆速」で拡大するEC市場
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