ストリート系「AMBUSH」世界で注目される理由 VERBAL氏が語るファッション業界の今
大量生産・販売モデルと一線を画す
――AMBUSHは日本発のアパレルとしては、ユニクロのような大量生産・販売モデルとは違うジャンルで、世界的な注目を集めています。今、売上高ってどれぐらいですか。
売上高は公表していませんが、2ケタ億円台に伸びてきました。まだ大きなブランドとは比べられません。もともとは2008年に、趣味の延長線上で始めたジュエリーブランドなんです。でも当初から海外の販路での取り扱いが伸びて、2015年には世界の卸売り先40店のうち、日本は10店程度になっていました。だから同年に、パリのファッションウィークでブランド独自の展示会を始めています。
――今春、YOONさんがディオールのジュエリーデザイナーに選ばれました(YOONさんによるディオールデザインはこちら)。ここまでくると、ちょっと違うモメンタム(勢い)だな、という実感はありますか。
ありますね。ディオールの少し前には、東京のアマゾン・ファッション・ウィークで、ブランドとしては初めてのランウェイショー(ファッションモデルによるデモンストレーション)をやらせていただきました。ランウェイの経験がなかったのでとても戸惑いましたが、ジュエリーだけでなくアパレルも増えてきていたタイミングでもあり、今まで積み上げてきた人脈やお仕事のネットワークが生かせました。
今後は世界で路面店を展開したいと思っています。今、渋谷に1店舗ありますが、2019年には国内でもう1店舗オープンする予定です。その後は海外での試みを企画中です。ショップがあると、僕たちの世界観を伝えやすいですから、挑戦していきたいと思っています。
――渋谷のお店には、行列ができていますね。
オープンして2年ですが、今年から行列ができるようになりました。
――並んでまで買うお客さんは、外国人が多い?
もうほとんどがインバウンドと言っても過言ではないぐらいです。だいたい7割ほどがインバウンドのお客さんによる売り上げで、多くが中国からの観光客です。
買い方が面白くて、スマートフォンを掲げて中国のインフルエンサーのSNSを店員に見せて、「これが欲しい」という人もいれば、僕たちのインスタグラムを見て「ドロップ(入荷)があるというから来ました」という人もいます。SNSの情報に対して感度の高い人が多いという印象です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら