ストリート系「AMBUSH」世界で注目される理由

VERBAL氏が語るファッション業界の今

インタビューはLDH本社の会議室で行われた。VERBAL氏が着ているニットはもちろんAMBUSH。VERBAL氏はヒップホップユニット・m-floでフロントアクターを務めるほか、音楽とファッションの分野でプロデューサー、ディレクターとして活躍している(撮影:尾形文繁)
Hype Beast(ハイプビースト)と呼ばれる若者が、世界のファッション消費を牽引している。クールなファッションアイテムを手に入れるためなら労をいとわない、そんな人々。渋谷・原宿エリアのアパレルショップに辛抱強く行列する外国人客がまさにそうだ。
オニツカタイガーやコム・デ・ギャルソンといった日本ブランドを支持してきた彼らが、今熱く注目しているのがAMBUSH(アンブッシュ)。ヒップホップミュージシャンのVERBAL(バーバル)氏が妻・YOON(ユーン)氏と立ち上げたストリート系ファッションブランドで、YOON氏は今春、仏ディオールのジュエリーデザイナーに抜擢されている。日本を代表するファッションカリスマになりつつあるVERBAL氏に、ファッションをめぐって世界で起こっていることを聞いた。

大量生産・販売モデルと一線を画す

――AMBUSHは日本発のアパレルとしては、ユニクロのような大量生産・販売モデルとは違うジャンルで、世界的な注目を集めています。今、売上高ってどれぐらいですか。

売上高は公表していませんが、2ケタ億円台に伸びてきました。まだ大きなブランドとは比べられません。もともとは2008年に、趣味の延長線上で始めたジュエリーブランドなんです。でも当初から海外の販路での取り扱いが伸びて、2015年には世界の卸売り先40店のうち、日本は10店程度になっていました。だから同年に、パリのファッションウィークでブランド独自の展示会を始めています。

――今春、YOONさんがディオールのジュエリーデザイナーに選ばれました(YOONさんによるディオールデザインはこちら)。ここまでくると、ちょっと違うモメンタム(勢い)だな、という実感はありますか。

ありますね。ディオールの少し前には、東京のアマゾン・ファッション・ウィークで、ブランドとしては初めてのランウェイショー(ファッションモデルによるデモンストレーション)をやらせていただきました。ランウェイの経験がなかったのでとても戸惑いましたが、ジュエリーだけでなくアパレルも増えてきていたタイミングでもあり、今まで積み上げてきた人脈やお仕事のネットワークが生かせました。

今後は世界で路面店を展開したいと思っています。今、渋谷に1店舗ありますが、2019年には国内でもう1店舗オープンする予定です。その後は海外での試みを企画中です。ショップがあると、僕たちの世界観を伝えやすいですから、挑戦していきたいと思っています。

――渋谷のお店には、行列ができていますね。

オープンして2年ですが、今年から行列ができるようになりました。

――並んでまで買うお客さんは、外国人が多い?

もうほとんどがインバウンドと言っても過言ではないぐらいです。だいたい7割ほどがインバウンドのお客さんによる売り上げで、多くが中国からの観光客です。

買い方が面白くて、スマートフォンを掲げて中国のインフルエンサーのSNSを店員に見せて、「これが欲しい」という人もいれば、僕たちのインスタグラムを見て「ドロップ(入荷)があるというから来ました」という人もいます。SNSの情報に対して感度の高い人が多いという印象です。

次ページリアル店舗の価値
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
  • 憧れから一歩前へ! キャンピングカーのある日常
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • ゴルフとおカネの切っても切れない関係
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
地銀 最終局面<br>首相が追い込む崖っぷち

遅々として進まなかった地銀再編。しかし菅義偉首相は明確に踏み込みました。全国の地銀はどう動くのか、現状を徹底取材。今後起こりうる地銀再編を大胆予測。さらにビジネスモデルや行員の働き方にも注目し、地銀が生き残る道について探りました。

東洋経済education×ICT