シャープが亀山第1工場を非テレビ用に転用、年明けから操業一時停止へ
シャープは、三重・亀山第1工場でのテレビ用大型液晶パネルの生産を止め、ノートパソコン向け等の非テレビ用パネル工場に転用する計画を明らかにした。足元の急激な需給悪化と来年度末に予定する大阪・堺新工場の稼動を見据えた措置で、転用に伴うライン改造のため、亀山第1同工場は来年1月から数カ月に渡って操業を停止する。
亀山第1工場は、2004年1月に稼動した同社初のテレビ用液晶パネル専用工場。第6世代と呼ばれる1.5×1.8メートルのガラス基板を使い、32インチ換算で年間576万台分の生産能力を有している。来年1月からライン改造に取り掛かり、半年程度の工事終了後に三重・多気、奈良・天理の2工場から非テレビ用パネルの生産を一部移管する。ノートパソコン用や産業・医療用など、非テレビ用途の中でも特にサイズの大きなパネルを専門に生産する方針だ。
今回の工場再編の狙いを一言で表現するなら、テレビ用大型液晶パネルの過剰設備対策だ。同社は、堺にテレビ用大型パネルの新工場を建設中で、2009年度末の稼動を予定している。新工場は世界初となる畳5枚分相当の大型ガラス基板を使った最新鋭工場で、その生産キャパは大型の40インチ換算で年間1200万台分超(第二期工事終了時)にも及ぶ。
しかし、07年末の新工場着工から1年足らずの間に環境は激変した。世界的な景気悪化で大型パネルの需要は急速に冷え込んでおり、現在、亀山の2工場は一部減産を余儀なくされているのが実情だ。さらに堺新工場が稼動すると深刻な過剰設備に陥るのが確実のため、今回の工場再編に踏み切った。来年1月から堺新工場稼動までの間、テレビ用大型パネルは亀山第2工場のみで生産することになり、その間に需給調整を図る狙いもある。
一方、亀山第1工場への一部生産移管によって、三重、天理の2工場は生産ラインが余るため、導入から10年以上が経過した一部ラインを閉鎖して効率化を進める方針。こうした老朽ラインの閉鎖と亀山第1工場の操業停止に伴って、製造現場で働く派遣社員380人を削減する。
なお、今回の工場再編等による業績への具体的な影響は、来年1月末の08年4~12月決算発表時に公表される予定。現時点において「東洋経済オンライン」は今2009年3月期業績予想を据え置き、再編影響が明らかになり次第、年末商戦の結果等も踏まえて、今期及び来10年3月期予想を見直す。
(渡辺 清治)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
連本2008.03 3,417,736 183,692 168,399 101,922
連本2009.03予 3,300,000 70,000 45,000 9,000
連本2010.03予 3,350,000 50,000 30,000 18,000
連中2008.09 1,562,427 50,759 37,548 28,011
連中2009.09予 1,520,000 25,000 15,000 9,000
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1株益¥ 1株配¥
連本2008.03 93.2 28
連本2009.03予 8.2 28
連本2010.03予 16.4 28
連中2008.09 25.5 14
連中2009.09予 8.2 14
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