中国の「越境EC競争」でウケたカルビーの戦略 独身の日に、若者の心を掴んだポイントは?
W11は、エンターテインメントだ。エンターテインメントを通して、ファンを育成し、知名度を上げ、これからの売り上げにつなげる。
そこにいちばん関係があるのは、アプローチ方法である。
昨年までは、「〇〇%割引」「史上最安値」だけで通用したが、今年は、ブランド・店舗が、オンラインとオフラインのイベントを通して、消費者にまずファンになってもらうことに一生懸命努力していた。
日本など外資企業にとっても、「ファンになってもらう」ことは重要だ。つまり、中国でビジネスをするには、自社の「コア」だけを残し、現地の消費者目線でプロモーションすることで、「ファン=消費者=将来のリピーター」を育成する必要がある。
カルビーの中国戦略
たとえば、カルビーはいつも現地の消費者目線でプロモーションを仕掛けている。多くのインバウンド、越境EC関連日本企業がまだ何も準備していなかったときに、自社の強みを打ち出し、消費者の不安を解消できるストーリーをうまくつくり、中国人目線の越境EC店舗を開業。
多くの日本企業がやっと昨年(2017年)後半から、中国の有名なネットアイドル(網紅)のライブ中継をするようになったが、カルビーは2016年のはじめごろにはスタートしていた。今は「TikTok」のような短編動画拡散にも注力している。
今、中国では「疲れすぎでボーッとするのがいちばん好き」という自虐ネタっぽいフレーズが若者の間ではやっている。オトナたちそれを理解できないかもしれないが、今時の消費者の潜在ニーズをリードしていると言えよう。
カルビーは、オンラインでは、「抖音DouYin」(中国版「TikTok」)でボーッとする若者にカルビーの商品で目を引こうとする動画シリーズを投稿している。若者達は面白いと思い、自分もそれを真似して転送、投稿することであっという間に拡散した。
カルビーによれば「抖音」だけでの露出数は1633万回になったという。
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