「米津玄師」が年間音楽チャートを制した理由 スマホ起点のヒット曲、「ソロ」「孤独」に注目
一方で、CDを売りさばくアイドルグループも安定した強さをみせている。乃木坂46は『シンクロニシティ』が6位、『ジコチューで行こう!』は7位を獲得。AKB48も世界選抜総選挙の投票対象シングル『Teacher Teacher』が10位に入った。
『ジコチューで行こう!』は、ビデオやストリーミング、ダウンロード、ラジオが圏外。Teacher TeacherもCD販売とルックアップ以外は圏外だが、この好成績だ。一方、欅坂46『ガラスを割れ!』はCD以外にも、ダウンロードやストリーミング、ツイッターなどでもポイントを重ね、3位獲得につなげている。
韓国系やフェス出演歌手が“デジタルヒット”
韓国系アーティストの活躍も目立った。多国籍女性グループTWICEは驚異的だ。総合8位の『Candy Pop』を筆頭に、100位以内に10曲もランクイン。その多くはストリーミングとビデオが牽引した楽曲で、特にビデオ再生回数で上位を占めるなど圧倒的だった。こちらもデジタル中心のヒットといえる。
さまざまな話題を振りまいた男性グループBTS(防弾少年団)も総合13位の『FAKE LOVE』をはじめ4曲を送り込んでいる。「チャートにも第3次韓流ブームは明確に表れた。また、今年は日本語よりも韓国語バージョンが聴かれる傾向があった。洋楽として聴くユーザーが増えているようだ」(礒崎氏)。
またチャートの動向から今年の夏頃に明らかになってきたのが、音楽フェスティバルとストリーミングの親和性の高さだ。フェスで出会ったアーティストの楽曲をストリーミングで聴く。そんなユーザーの行動が定着しつつあるようだ。
中でも注目されているのが、女性シンガーソングライターのあいみょん。「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018」などの夏フェスに登場し、秋以降にポイントを重ねてきた。総合48位の『マリーゴールド』をはじめ3曲が100位圏内入り。どれもストリーミングが牽引した。あいみょんはNHK紅白歌合戦への出場も決まっている。2019年は、ストリーミングからのヒットアーティストも増えそうだ。
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