「米津玄師」が年間音楽チャートを制した理由 スマホ起点のヒット曲、「ソロ」「孤独」に注目

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米津玄師のヒットはそれだけではない。プロデュース曲の『打上花火』も4位に入った。昨年8月に発売された楽曲ながら、ストリーミングで1位、動画再生でも4位となり、季節を問わず視聴され続けていることがわかる。

米津玄師の「Lemon」はダウンロードを中心に多くの指標でトップをつかみ、2018年を代表する楽曲となった

そのほか、『LOSER』(16位)、『Flamingo』(20位)、『ピースサイン』(31位)、『灰色と青 (+菅田将暉)』(34位)、『アイネクライネ』(40位)、『orion』(91位)と、プロデュース曲も含めて100位圏内に8曲を送り込んだ。

2018年に発売された『Lemon』と『Flamingo』以外の楽曲はCD販売順位が圏外(100位以上)であり、ダウンロードやビデオなど、デジタルやスマホ中心のヒットが多い点が特徴だ。米津玄師は総合アルバムチャートでも『BOOTLEG』が2位にランクインし、2018年のアーティスト・オブ・ザ・イヤーを獲得している。

米津玄師に星野源―ソロが活躍する理由

昨年、『恋』がビルボード総合1位を獲得した星野源も健在だ。5位の『ドラえもん』はラジオが1位、ダウンロードも7位と好調で上位に食い込んだ。ダウンロードのみでCDを販売しなかった『アイデア』も17位にランクイン。

ドラえもんは『映画ドラえもん のび太の宝島』の主題歌で、アイデアはNHK連続テレビ小説「半分、青い。」の主題歌。強力なタイアップと集中的な露出で認知を広げた。『恋』の大ヒットで広げたファン層をがっちりとらえた1年といえそうだ。ちなみに、『恋』は今年も46位に食い込んだ。ソロアーティストではほかにも、俳優の菅田将暉が『さよならエレジー』で9位に入っている。

礒﨑氏はソロアーティストの活躍の背景に、スマホの存在を指摘する。「スマホの小さな画面でミュージックビデオを視聴する機会が増えているため、人数が多いグループではなく、より見やすいソロアーティストのヒットが増えているのではないか。数年前からそうした予測をしてきたが、実際そうなっている」。

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