シュガー・ラッシュが年末映画の本命の理由 秀逸なネット世界の描き方
今回もソニック・ザ・ヘッジホッグやパックマンなどについてはきちんと企業と交渉し、使用権を取得したという。一方、セガやナムコのロゴはフェアユースだから法律的に使えることになる。ただツイッターの場合、ツイッターという名前は使えたが、ツイッターのロゴマークは使えなかったという。
また、作品ではヴァネロペとラルフは、アーケードゲーム「シュガー・ラッシュ」のコントローラーが、オークションサイトの「eBay」に出品されていることを知り、インターネットの世界に入り込むというストーリーになっている。「eBay」がストーリーの中で重要な役割を果たしているが、「実際にあるサイトに行くことで、観客にそこは確かに自分たちが知っているインターネットの世界であることを確信するというわけだ。その後はわれわれが作った架空のウェブサイトが物語の舞台となってくる」(スペンサー氏)。
「つかみはOK」というわけではないと思うが、最初に実在のサイトに訪れ、観客に印象づけることで、その後に出てくる検索エンジンの「ノウズモア」、オンラインゲームの「スローターレース」、動画サイト「バズチューブ」、そしてディズニーキャラクターたちが集うサイト「オーマイディズニー」といった映画オリジナルのサイトが現実感を持って受け止められる効果になっているといえる。
ちなみにそのeBayには、許諾はとっていないそうで、「だって壊れたゲームのハンドルがeBayに売っていたわけだから、この映画の中でeBayはヒーローなんだよ」と、スペンサー氏は述べている。
ディズニー作品のキャラでも許諾は必要だった
一方、ディズニーが版権だからといってなんでも勝手に使えるというわけではない。今回、登場する「オーマイディズニー」では、「スター・ウォーズ」のC-3PO やストームトルーパー、「ピクサー」のバズ・ライトイヤー、「マーベル」のグルート、アイアンマンなど、ディズニーが版権を持っているキャラクターたちが次々と登場している。まさに「ディズニー・オールスターズ」の様相だが、これはどのように実現させたのだろうか。
まず、同じディズニー作品でありながらも、これらのキャラクターを使う際には、他社のキャラクターを使うのと同様、それぞれのスタジオに許諾を求めなければならなかったという。
「それらのキャラクターを使う際には、どんなシーンで、どんなふうに使うかを相手に理解してもらわなければならない。まず監督たちに『オーマイディズニー』のどのシーンにどのような形で登場させるのかを描いてもらった。それをルーカスフィルムやピクサー、マーベルなどに見せて説明する。一度理解してもらえると、彼らも逆に喜んでくれて、サポートしてくれるようになる。本当に大切なのはそれが非常にクリエーティブで、面白いシーンになるのかどうか、そしてそのキャラクターを尊重しているかどうかだ」(スペンサー氏)
無料会員登録はこちら
ログインはこちら