シュガー・ラッシュが年末映画の本命の理由 秀逸なネット世界の描き方
さらに本作には、ラプンツェル、アリエル、モアナ、アナとエルサ、シンデレラ、白雪姫、ベルといった歴代プリンセスが14人も登場する。ディズニープリンセスたちがカジュアルな格好になるなど、「ディズニーがここまでやる!?」と言ってしまいそうなほどに何でもありの世界となっている。
「キャラクター全員集合というのはマーベルでもやっていることだし、それがストーリーテリング的に間違っていなければ、自分たちのキャラクターを全部集めてもいいと思う」と、世界的な“総出演ブーム”の流れから自然なことと説明する。コメディーとして、「歴代プリンセスを全部集めたら面白い」と思って始めたが、ストーリーの流れとして、きちんと進める役割がなければいけないと考えるようになったという。「自分たちをジョークにすることと、プリンセスというアイコンを祝福すること。われわれはこの2つのバランスを見いださなければならなかった」(スペンサー氏)。
ヴァネロペのプリンセス像もひとつの形
ある種ヴァネロペは、それまでのプリンセス像からは大きく外れているようにも見える。インターネットの世界に飛び込んだヴァネロペは、新鮮で刺激的なインターネットの世界に触れるうちに、ここが本当の自分の居場所なのかもしれないと思うようになる。だが、一方のラルフはインターネットの世界は居心地が悪く、早くゲームの世界に戻りたいと思うようになる。アーケードゲームの世界しか知らなかった2人の友情は、新たな世界に飛び込むことで試されることになる。
「でもこれまでのディズニープリンセスは、自分自身の運命を見つけて切り開いていった。そしてこの映画のヴァネロペもまた、自分自身の進むべき道を発見していく。そういう意味で、彼女もディズニープリンセスの系譜に連なるキャラクターだと言えるし、それがこの映画にフィットすることがわかった」と、スペンサー氏。
ディズニープリンセスの系譜にきちんと収めつつ、新しい見せ方を追求する。こうした発想が、今のディズニー・アニメを成功に導いている原動力といえるだろう。
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