平成30年間を「節約の歴史」で振り返ってみた

主婦雑誌に携わり続けてきた著者が分析

しかし、当時自分が関わっていた雑誌や他社のムックを見直してみると、「なるほど」と思うワザも多い。例えば、新しい洗剤を下ろす時にはボトルに使い始めの日付と、前回書いた日付から割り出した使用サイクルを書いておく。そうすると、使いすぎにブレーキがかかるし、そろそろなくなりそうなころがわかるので、うまく特売日を狙って購入できるという(まだネット通販がほとんど利用されていない時代だ)。

また、電気代が安あがりだが本体は高い蛍光灯と、本体は安いが電気代は割高な白熱灯を使い分け、長時間点灯させる必要がないトイレや玄関は白熱灯に換えるというワザも(これまたLEDがない時代の話だ)。なお、蛍光灯や照明器具はこまめに掃除しておけば明るさがキープできるという。今にも通じる話かもしれない。

家族への誕生日プレゼントにする衣服や小物は、カタログ通販の処分セール時期に来年の分を買っておくというツワモノもいる。今のようにファストファッションが隆盛でなかった時代がうかがえる。

ちなみに、家計の出費を劇的に安くした救世主である100円ショップは、平成から徐々に存在感を示し始めた。ダイソーが直営店の第1号店を出したのが平成3年(1991年)。楽天市場がスタートしたのが平成9年(1997年)。Yahoo!オークション開始が平成11年(1999年)となっている(いずれもホームページより)。なお、ファストファッションが流行語となったのは、随分下って平成21年(2009年)だ。

11年以降はデジタル節約の黎明期(1999~2008年)

次の10年間で、筆者が個人的に注目しているのは「捨てる」ブームだ。

『「捨てる!」技術』(辰巳渚氏)が平成12年(2000年)に発売される少し前から、エコブームと相まって「シンプルに暮らす」といったキーワードが雑誌にも躍り始めている。これまでのドケチ節約とは違うアプローチで、「不要なモノを持ちすぎない」「適量を買って使い切る」「手作りする」といったキーワードが主婦雑誌の誌面に躍るようになった。モノを持たないことは、買わないことであるから、形を変えた節約と言える。そこに「捨て」ブームが加わり、所有しない方が豊かな暮らしであるという流れが生まれた。

これは、平成7年(1995年)に起きた阪神・淡路大震災の影響も多分にあったと思う。当時、取材した読者から、「モノを持っても震災が起きれば壊れるだけ」という声をいくつか聞いていた。

無料で配られる試供品を集めていた時代とは空気が異なり、タダでもらえるものでもいらないものはゴミになるだけだから断る、家がすっきりしていれば掃除機をかけるのも楽だから電気代が浮く、子ども服はフリマやヤフオクに出して処分しつつ小遣い稼ぎをする。

このころは一般家庭にもPCが普及したため、インターネットを介して安くものを買うという主婦も増えてきた。それにもひと工夫し、当時のNTTの「テレホーダイ」「タイムプラス」という割引サービスを使って、ネットに接続していた主婦も。まだ参加者が少なかったインターネット懸賞で稼ぎを上げていたという成功談も載っている。

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