電通がクラウドワークスに出資したワケ 大企業のcrowd活用が本格化
普通の個人がフリーランスで働ける――そんな働き方の新潮流として、にわかに注目を集めるクラウドソーシング。インターネットを通じ、企業と、さまざまな個人(群集、クラウド=crowd)の間の仕事のマッチングを行うサービスのことだ。
業界各社はフリーランスで働く会員の福利厚生や教育にも力を入れており、主婦や高齢者がすき間時間に小遣い稼ぎをするのはもちろんのこと、正社員の代替としても検討に値するレベルまで徐々に進歩してきている。
認知度の向上に伴い、市場規模は拡大を続けている。2013年のクラウドソーシングによる仕事依頼金額は2012年比3.3倍の246億円と見込まれ、2017年度には1474億円まで拡大する見通しだ(矢野経済研究所調べ)。
月間取引は前年同月比14倍
業界首位のランサーズ(200社の中でなぜランサーズは首位なのか)とともに、この成長業界を引っ張っているのが2012年3月にサービスを開始したクラウドワークス。同社の月間取引額は、大企業からの発注増加などを追い風に1年前の14倍に急成長。取引累計額では及ばないものの、月間取引額で見れば今やランサーズを超え業界トップに躍り出る。累計発注社数は1万8000社、登録会員数は9万人に上り、会員の最高年齢は85歳だ。
クラウドワークスの設立は2011年11月。狙いすまして2011年11月11日11時11分11秒に登記をしたという。
演劇で身を立てる夢が破れ、1回目の起業で役員の離反にあった吉田浩一郎社長が全財産をつぎ込んで背水の陣で設立したのがクラウドワークスだ。「スタジオジブリにたとえるならば、学生の頃は宮崎駿さんのようなクリエーターの立場になることを目指していた。でもあまり向いていなかった。一方で、鈴木敏夫さんのようなプロデューサーの立場には向いていると気づいた。クラウドソーシングは日本中、世界中の人たちが持っているスキルを明らかにするプロデューサー業。自分の強みとやりがいが一つになり、ようやくスタートラインに立てた」(吉田社長)。
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