共働きでもあえて「幼稚園」選ぶ人が得る利点 夕方までの預かり保育可能な園が増えている
(1)のニーズについては、認可保育園の拡充に伴い、徐々に減っていくであろう。一方で、(3)のニーズは確実に増えてきていると思われる。本当は子どもと過ごす時間をしっかり取りたいのでフルタイムで働くことは不本意だが、保育園に入れないと仕事自体が継続できない。だから仕方なくフルタイムで復職……というケースを筆者の周りでよく耳にする。
今後、子育て中のパパ・ママの働き方がより一層多様化していくにあたり、幼稚園という選択をする共働き世帯は増えていくかもしれない。
幼稚園と保育園の違い
筆者は仕事の傍らで、今年度、目黒区私立幼稚園父母会(東京)という組織の役員を務めている。この活動を通じて、筆者の子どもが通う園だけではなく、同会に加盟している目黒区の私立幼稚園18園の様子をうかがい知れる。その実体験を生かして、以下のとおり、幼保の違いの実感値をまとめてみた。
厚生労働省が10年ぶりに改定した保育所保育指針(2018年4月施行)では、保育園でも「教育的な関わりをする事」が義務づけられている。改定が告示された2017年3月から先行して取り組んでいる保育園も多数あり、それらの保育園と幼稚園を比較した場合、幼保での教育的な関わりの差異は縮まったと感じる(もちろん園にもよるが)。
ここで言う「親の出番」とは、保護者が担う役職ポストの多さや、平日の保護者参加を伴う行事、週末の行事の振り替えで平日が休みになる事態などを指す。筆者の子どもが通っている若水幼稚園(東京都目黒区)は、区内の幼稚園の中でも突出して親の出番が少ない園ではある。それでも、平均して月に1〜2日は幼稚園関連で平日に半休または全休を取っている。
月に数日の親の出番であれば、フリーランスで活動する筆者のような働き手でも、在宅ワークなど柔軟な働き方が進んでいる企業に務めている人でも、問題なく対応できるだろう。
しかし、春夏冬の長期休みがある園では、フリーランスワーカーのママであっても、かなりヒーヒー言っている。長期休みのたびに、企業が提供する預かりサービスを利用したり、親自身の有給と在宅ワークを駆使したりしてしのがなければならない。
幼稚園の中には、長期休みの間の特別な預かり保育サービスを提供している園もあるので、年間の「親の出番の頻度」については、事前にしっかりとリサーチされることをお勧めしたい。筆者の子どもが通う園にはこのサービスがあり、かなり助かっている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら