日本の「キャッシュレス後進国」説に異議あり 独立系クレディセゾンの林野宏社長が激白

拡大
縮小

――今まで林野社長がこの会社を作って、ずっと率いてきましたが、コーポレート・ガバナンスコードにも後継者計画が触れられていたりで、投資家は「ポスト林野」に関心があります。

いつもその質問がありますよ。株主総会などで。ホールディングカンパニーみたいな枠組みを作って、当然、その片方にデジタルをおいて、もう一方にクレディセゾンをおいてというやり方も考えた。デジタルには新しい人を取り込もうなどと、今までもいろいろ考えてきた。

「後継その他、態勢作りも当然考えている」と話す(撮影:尾形文繁)

どんなチャンスが来るかはわからない。そのときは白紙で絵を描く。その絵が取締役会、株主総会で賛成してもらえれば。どんな格好になるかわからないけれども、少なくとも上から俯瞰してみて、キャリアは長くてよく知っているから、それをプラスに働かせるようにしたい。後継その他、態勢作りも当然考えている。

後継者は最低10年の経験が必要

この会社も多角化、多国籍化で東南アジアに出ていく。こういうセンスは、20世紀よりもはるかに難しい。英語は別にしゃべれなくてもよいが、そういう感性、経営のセンスがないと率いていけない。

わたしは堤清二さん(セゾングループ代表)に教えてもらった。高島屋さん、三越さん、伊勢丹さんと競争して勝つための仕掛けを作って、それを実現していったり、それ以外にも多角化もね。ああいう感性というものは、尋常に会社に入って育ったのではわからない。

だから、ある程度は分化するしかない。それができる最もふさわしい人をスカウトするとかして、複合経営をする。だからITの人とはずっと付き合っている。過去のよけいなことを知らないほうがよい。未来に焦点を合わせられる人を集めないといけない。グループ全体の経営を統轄するのは、本業をよく知っているとか、やっぱり最低でも10年は経験が必要となる。

水落 隆博 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

みずおち たかひろ / Takahiro Mizuochi

地銀、ノンバンク、リース業界などを担当

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT