流行に乗って職場崩壊「危険な人事制度」2選 「AI人事、分散組織」…御社は大丈夫?
人事に限ったことではないかもしれませんが、私が専門にしている人事の世界では、毎年のように流行り言葉が出てきます。あまりよくわかっていないのに、キャッチだけに飛びついて「人事制度はいらない」とか、これからは「○○組織」だとか、そういう類いのものです。
大抵の場合は、本やメディアが出発点であり、きちんとよく読めば、なるほど流行るだけはある示唆的な主張であると気づくのですが、残念ながら多くの場合は本を買って「積ん読」状態になったままで、タイトルから想像する曖昧で正確でない解釈のもと、さまざまな人事施策が実際に進んだりしてしまいます。
今回は、その中でも流行りだからといって飛びついてしまうと大変な目に遭う可能性のある、何年かおきに形を変えては定期的に流行る危険な人事施策、人事の考え方を検討してみます。
危険な人事施策その1:AI人事
AI(人工知能)という言葉自体が何度目かの流行ですが、とうとうそこに「人事」がからむようになりました。そもそも「AIって何よ」と私も思うのですが、厳密に統一された意味はなく、今、いろいろなところで用いられている意味合いで言えば、「人事のさまざまな現象を数値・データ化し、統計処理やAIの力で、何らかの法則性を見いだして、それを組織マネジメント向上のために適応する」というようなことです。
採用選考に使われたり、配属に使われたり、退職者予測などにさえ、最近では使われるようになってきています。基本的には私個人はこの領域・手法には可能性を感じていますが、しかし、落とし穴がないわけではありません。とくに新しい領域ですので、流行に飛びついて「時代はAIだ」と拙速に導入すると、その危険な罠に陥りがちです。老婆心ながら、そのポイントをあげてみます。
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