車両製造で快進撃「シュタドラー」とは何者か

鉄道見本市の展示数では大手メーカーを圧倒

2018年のイノトランス会場に展示されたシュタドラー製車両。中央はイギリス、グレーターアングリア鉄道向けのバイモード車両755系、両側はスイス国内私鉄向け車両(筆者撮影)

今から2年前、2016年に開かれたイノトランス(国際鉄道見本市)の屋外展示場で、日本人にはなじみの薄い1つのメーカーがひときわ大きな存在感を示した。

その名は「シュタドラー」。今でこそ、その知名度は徐々に高まってきたが、それも鉄道業界の中での話。多くの人にとっては何の会社なのか、どこの国にあるのか、まったく見当もつかないことだろう。

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2016年10月11日付記事(「スイス鉄道メーカー、世界3強に迫る大躍進」)で詳細を解説したとおり、シュタドラーは第二次大戦中の1942年に、スイスのチューリッヒで創業した車両メーカー。長年地元スイスの鉄道会社へ小型機関車などを細々と供給、本格的な旅客用客車の製造を始めたのは1984年と、比較的最近のことだ。

しかし同社が開発したモジュール式車両(形や動力源の異なる複数のモジュールを適宜組み合わせることで、各鉄道会社に最適な車両に仕上げることができる)GTW2/6の商業的成功により鉄道車両メーカーとしての名声を一気に高め、その後の業界再編によって各国のメーカーを次々と買収、年を追うごとに存在感を増していった。

屋外展示数で他社を圧倒

シュタドラーは2017年の時点で業界7位。ここ数年はおおむねこの前後の順位を維持し堅調が続く。今回のイノトランスでは、前回のEC250型のような華やかな中高速列車の展示こそなかったものの、屋外展示車両は7車種と他社を圧倒した。

では今回、同社展示車両の中で高い注目を集めた車両はあったのだろうか。

真っ先に紹介したいのは、電気とディーゼルエンジンの両方で走行できるバイモード機関車の「ユーロデュアル」だ。スペインのバレンシアにある、フォスロ(Vossloh)社から買い取った機関車部門が製造を担当しており、2020年に民間貨物会社のドイツ・hvle社へ最初の10両が納入される予定だ。

ディーゼルエンジンを搭載したバイモード電気機関車は、過去のイノトランスですでに各メーカーから出展されているが、これまでの機関車ではディーゼルエンジンは貨物駅での入換作業用、もしくは非常運転用として短時間での作業を想定し、出力を必要最小限に抑えたものだった。

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